したたか者の流儀

2017年3月5日

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パスカル・ヤン (Pascal Yan)

著述家

著述家。ルーヴァン・カトリック大学大学院中退(ベルギー)。証券マンとして25年間、欧州を中心に海外で過ごす。現在の職業は都内大学教授。

 

 トランプ大統領は、地球温暖化説を否定しているようだ。長く欧州にいると、極寒の冬がやってくることがある。そんなとき、温暖化を疑うこともあった。むしろ地球に何度か訪れた氷河期がまたやってくるという議論に組したくなる。欧州でその手の人に、最近極端に寒いけど、温暖化説の旗を降ろすかと聞くと血相をかえて「温暖化が激しくて氷河が動きだした。それが暖流の北行を妨げているので寒さが一時的に増しているだけだ!」と言い張っていた。

 確かに極地の氷が溶けているとも聞いた。トランプ説もいいが、多くの人は、真実をよく研究してほしいと思っていることだろう。

(iStock)

 そういえば、日本は貧しいころも戦後すぐのころも極地探検に命を捧げた人が多いのを自慢してよいと思うがいかがであろうか。地球の歴史で言えばほんの瞬きにも満たない数十年前、大寒波で我が南極観測船“宗谷”が厚い氷に阻まれたことを覚えているだろうか。当時ソ連の新鋭観測船が我が方を助けてくれたと聞き、とても驚いた。小児麻痺のポリオワクチンの援助とともに、旧ソ連にそのときは少し親しみを感じた。

 そんな極寒地で氷の上に身動きできず多数の樺太犬が放置されて、多くは命を落とした。探検隊の樺太犬といえば、先駆者の白瀬矗中尉の隊にも十数匹の樺太犬がいたが、こちらは赤道の暑さと、犬のはやり病で多くが死んだという。戦後すぐの昭和基地で、苦難を乗り越え助かったタロとジロの話は国民的美談となった。

 そもそも極地の話は、血湧き肉躍るものがあり、心を打つ。そんな極寒極地の逸話を映画にすればヒット間違いなしとなる。

 ちなみに興行収入日本一を長らく保った映画「南極物語」の大成功に見るように人々の関心は高い。特に二匹の樺太犬タロとジロは500円記念硬貨になり、歌にまでなった記憶もある。

 虎は死んで皮を残す。タロは北海道大学で剥製になっていると聞いた。人は死して名を残すという。とはいえ有名企業のトップや大先生でもすぐに忘れ去られるのは世の常だろう。本当に名前を残せる人は少ない。タロやジロ並の有名人はむしろ少ない。

 ところで、最近南極観測船の話がでて、「しらせ」だといっている。その昔「宗谷」を覚えていたが、その後継船が「しらせ」であったはずだ。いまだに動いているはずもなく、よく見ると以前の船とスタイルが全く違っていて、小判型だ。はたしてそんなことがあるのだろうかと思って調べると新造船であった。

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