2024年4月24日(水)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年4月6日

 フィナンシャル・タイムズ紙の3月3日付け社説が、中国が最近アフガニスタン領土に軍隊を派遣したことが注目されたが、米国が期待するような、アフガニスタン情勢安定化に資するものではない、と、述べています。要旨、次の通り。

(iStock)

 中国は最近アフガニスタン領に初めて軍隊を派遣したが、アフガニスタン領といっても、新彊ウィグル地区に接するワハン回廊(Wakhan Corridor、タジキスタンとパキスタンの間に細長く伸びるアフガニスタン領)である。中国は最近新彊ウィグル地区でのウィグル人と思われる過激派の活動の活発化を懸念している。中国政府はウィグル独立派がパキスタンとアフガニスタンの支援を受け、アフガニスタン領で攻撃を準備し、同領内から攻撃していると憂慮している。そこで中国は遅まきながら新彊ウィグル地区に接するアフガニスタン領内に、治安維持のため出兵を決めたと思われる。

 たとえトランプ大統領がアフガニスタン安定の負担の一部を中国軍が負ってほしいと願ったとしても、失望させられるだろう。中国の目的は中国に対するテロ攻撃の脅威を無くすことに限定されているのである。

出典:‘Beijing’s foray into the graveyard of empires’(Financial Times, March 3)
https://www.ft.com/content/561790ec-ff28-11e6-96f8-3700c5664d30


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