世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年4月7日

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 3月5日付のウォールストリートジャーナル紙の社説は、中国の対北朝鮮制裁は見せかけで経済支援は継続していると批判し、中国が協力しないのであれば対中金融制裁を課すべきであると述べています。主要点は次の通りです。

(iStock)

 中国はトランプ政権を見据えて、北朝鮮からの石炭輸入を止める等、対北朝鮮政策を硬化させているように見えるが、実態はそうではない。

 1年前、中国は鉱物資源貿易に関する安保理決議を守ると約束したが、中国は決議の中に「生計目的」による例外という抜け穴を押し込み、それにより北朝鮮からこれまで最大の量の石炭を買ったのだ。11月に「生計目的」という抜け穴をふさぐために新たな安保理決議が採択された。中国は輸入削減を約束したが、12月には月別輸入として最大の石炭輸入をした。2016年の中国の対北朝鮮石炭総輸入額は2015年に比し14.5%増の10億ドル超になった。

 この収入で北朝鮮は多くのミサイルを発射することができる。更に、中国は間もなく4千トンの北朝鮮液化石油ガスの購入の支払いを始めるだろう。

 中国は石油、銀行、商社、港湾やダミー会社等を通じるその他の数限りない方法で北朝鮮の生存を支援している。中国は対トランプ政権への対応を模索している。楊潔篪国務委員を米国に派遣し、大統領などと会談させた。石炭輸入中止の動きは一つの中国政策を受け入れたトランプへの見返りだったのかもしれない。

 北朝鮮の核・ミサイル能力は、米国の安全保障にとって直接の、そして益々受容できない脅威になっている。脅威は金正恩体制の退陣なしには終わらないことも明らかだ。中国が北朝鮮の経済生命線を切らないのであれば、トランプ政権は中国の関係機関に金融制裁を掛けるべきだ。

出 典:Wall Street Journal ‘China’s North Korea Feint’ (March 5, 2017)
https://www.wsj.com/articles/chinas-north-kora-feint-1488503724

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