WEDGE REPORT

2017年4月10日

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斎藤 彰 (さいとう・あきら)

ジャーナリスト、元読売新聞アメリカ総局長

1966年早稲田大学卒業。68年米カリフォルニア州立大学バークレー校大学院修士課程修了、70年読売新聞入社。ワシントン常駐特派員を2度務めた後、アメリカ総局長、東京本社取締役調査研究本部長などを歴任。現在、神田外語グループ参与。近著に『中国VSアメリカ』『アメリカはカムバックする!』(いずれもウェッジ)がある。

 ロシアの2016年米大統領選介入に果たしてどこまで加担したか―トランプ陣営のロシア・コネクションを究明する米連邦捜査局(FBI)や連邦議会の調査が本格化しようとしている。ホワイトハウスを覆う“ロシアゲート”の霧は深まるばかりだ。

(iStock)

 去る3月31日、貿易赤字削減に向けた大統領令発表に臨んだトランプ大統領の表情は、いつにもなくさえなかった。1月20日就任早々、環太平洋経済連携協定(TTP)離脱やイスラム諸国からの入国禁止措置などを意気揚々と打ち上げた時とは異なり、明らかにトーンダウンしていた――とホワイトハウス詰めベテラン記者たちの間でも評判だったという。

 しかも、これまでは、大統領令発令のたびごとに執務室に報道陣を招き入れ、自らデスクに座って命令書に署名するのがならわしだったが、この日ばかりは違っていた。内容をそそくさと読み上げた後、署名もしないまま、ペンス副大統領らを残し、報道陣の質問にも無言のまま、一人だけ退室してしまった。

 「マイケル・フリン氏、議会証言と引き換えに免責要求」――たまたま同じ日の31日、米マスコミは一斉に、トランプ大統領の側近中の側近で辞任したばかりのマイケル・フリン前大統領国家安全保障担当補佐官が、ロシアによる大統領選介入とトランプ陣営の関係を究明する上院公聴会での証言にあたり、免責の保証を求めてきたことを大きく報じていたのだ。

 フリン氏はかねてから、ロシア経済界との密接な関係もとりざたされ、米大統領選挙期間中も、駐米ロシア大使と協議や会食を重ねたほか、ロシアの対米工作にも精通していたとみられるだけに、本人が司法取引で供述するとなると、大統領自身にとっても安閑とはしていられなくなる。

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