ベトナム人実習生の背後にある深い闇

実習制度では、来日する人材に金銭的な負担を強いないよう定めている。事前の日本語研修の費用、また渡航費も、すべて日本で実習生を受け入れる企業が支払う決まりなのだ。だが、ベトナムでは政府が送り出し業者による手数料の徴収を認め、「3600ドル」…

なぜ、ベトナム人実習生の入国ラッシュが起きたの…

ベトナム人実習生の入国は今年初めからさらに加速し、１万7000人以上が日本へ駆け込んだ。その数は、同じ時期に緩和措置で入国した外国人全体の６割にも達したほどだ。結果、昨年６月末時点で約22万人を数え、実習生全体の半数以上を占めていたベトナ…

例外的に入国が認められた「ビジネス関係者」は誰…

実習生は、日本人の働き手が不足する職種で受け入れられる出稼ぎ労働者だ。留学生にも、勉強よりも出稼ぎを目的に来日する者が数多く含まれる。そして産業界には、低賃金の外国人労働者を求める声が強い。そんな声に応えるかたちで、政府は外国人の入国制限…

一番の被害者は真っ当に過ごすベトナム人

10月末に入管難民法違反容疑（不法残留）で逮捕された男女13人のベトナム人グループの中には、豚を丸焼きにする動画をSNSにアップしていた者がいた。彼らが住んでいた家からは、警察の家宅捜査で冷凍された30羽余りの鶏も見つかった。さらには、無…

ベトナム人は本当に豚を盗んだのか？

今年夏頃から北関東の各県で相次いだ「豚」などの盗難に絡み、先月末、ベトナム人たちの逮捕が相次いだ。まず10月26日、群馬県太田市に在住する13人のベトナム人が入管難民法違反（不法残留）で、2日後の28日には、別の4人が無許可で豚を解体した…

外国人労働者受け入れのグランドデザインを描く

「開国政権」が開いた「移民国家」への扉（5）

第２次安倍政権が誕生した2012年以降の7年間で、外国人労働者は約100万人増え、19年末時点で約166万人を数えるまでになった。また、日本に永住する資格を得る外国人も増えている。安倍政権は史上類を見ない「開国政権」だったと言える。その安…

留学生が卒業後に単純労働に就く〝偽装就職〟

「開国政権」が開いた「移民国家」への扉（４）

政治家にとって「移民問題」を口にすることはタブーに近い。国民の間に「移民アレルギー」が強いとみなしてのことだ。安倍晋三前首相も外国人労働者の受け入れを拡大する一方で、「移民政策は取らない」と強調し、移民問題への深入りを避けた。ただし、安倍…

留学生30万人計画と成長戦略

「開国政権」が開いた「移民国家」への扉（３）

安倍政権は「留学生30万人計画」をアベノミクス「成長戦略」に掲げ、不足する底辺労働者の受け入れに利用した。その経緯と手法について少し説明してみよう。

〝開国政権〟7年間で100万人増加した外国人労…

「開国政権」が開いた「移民国家」への扉（１）

安倍政権は史上類を見ない「開国政権」だったと言える。そして「移民国家」への扉を開いたことでも、歴史に名を刻むかもしれない。外国人の受け入れは、日本という国のかたちを変えかねない重要なテーマである。しかし、安倍政権で起きた変化ついて、十分に…