アフリカのサバンナの社会では、土地は神聖なものと見なされ、誰の所有物でもなかった。その土地を力で奪い合ったり、殺し合ったりする愚かしさ。また、サバンナの子どもたちの就学率は低い。しかし、大人に混じって労働することによって、現実の社会に即した勉強をし、命の大切さをしっかりと学んでいる。争いの絶えない近代社会が推し進めてきた「文明」とはいったい何だったのか――。
情報化とグローバル経済が地球をおおいつくそうとする一方で、われわれはいま、深刻な環境問題に直面している。文明がもたらした豊かさの意味を問い直し、新しい価値観をいかにして構築するか。歴史に学び、異文化に学ぶことがいまほど求められている時代はない。日本・フランス・アフリカ、この三つの異なる文化を比較して、人類の文化をグローバルに考察してきた著者が、現代のわれわれの生き方を問う最新エッセイ集。