熱狂と欲望のヘルシーフード

「体にいいもの」にハマる日本人

畑中三応子:著
電子版あり
熱狂と欲望のヘルシーフード
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熱狂と欲望のヘルシーフード
「体にいいもの」にハマる日本人
畑中三応子:著

いつの時代も「健康」を追い求める日本人

定価:1,980円(税込み)
四六判並製 272ページ
発売日:2023年 8月19日
ISBN:978-4-86310-267-5
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老若男女、いつの時代も変わらない欲求として存在する「健康でありたい」という願い。
いつまでも元気でいたい、痩せて健康的になりたい……。その「健康欲」が、
これまで幾度となく健康食品やダイエットのブームを起こしてきた。
流行食を追い、「ファッションフード」という言葉を生み出した著者が健康をめぐる食文化史、
メディア史という観点から、「ヘルシーフード」の流行を振り返る。

●米、肉、牛乳は体にいいのか悪いのか
●社会の空気を映し出す栄養ドリンクのキャッチコピー
●トクホ、機能性表示食品の流行と定着
●いくつ試した?朝バナナダイエット、納豆ダイエット……
●すっかり定着しつつある糖質制限ダイエット
●アルコール飲料にも波及する健康志向
●はやり病とはやりの食べ物の関係


<本書の目次>

第1章 繰り返される「体にいい・悪い」論争
オートミール、大豆ミート、植物性ミルクブームと嫌われがちな米、肉、牛乳/
ずっと昔から存在した「体にいい・体に悪い」論争/主食をめぐる論争と牛乳有害説/
どちらが長生き食品? 平成に過熱した菜食・肉食論争/“空前”と呼ばれる肉ブームの到来/
ベジタリアンとヴィーガンはどう違う/よみがえりつつある酸性食品とアルカリ食品/
「自然=善、人工=悪」の構図が確立した高度経済成長期/「食品は『裏側』を見てから買いましょう」/
規制される食品添加物の「無添加」「不使用」表示/嫌中感情をエスカレートさせた「中国毒食品」/
「オイル論争」マーガリンが健康な油から悪い油に

第2章 こんなもの、はやりました。~健康食品流行クロニクル
病的なまでの健康ブームが続いた平成時代/平成不況とはびこるフードファディズム/
民間療法から出現したドリンクタイプの健康食品たち/藁をもつかむ人をあざむいた「ヨーグルトきのこ」と「野菜スープ」/
テレビから生まれた健康食品たち/死亡事故や捏造事件……信用できない健康食品/
超高齢社会の縮図、アンチエイジングの一大ブーム/アメリカからやって来た「スーパーフード」/
「柳の下のドジョウ」がうようよ、医者の教える食事本がまたブームに/アンプル剤にはじまった栄養ドリンクの第1次ブーム/
栄養ドリンクのキャッチフレーズから見える社会の空気/「癒し」ブームとマクロビオティックの逆輸入/
はやり病とはやりの食べ物の相関関係/コロナでますます人気の「免疫力アップ」と「睡眠の質向上」/
アルコール飲料にまで影響を与える健康志向

第3章 「トクホ」「機能性表示食品」の流行と定着
食品の「第3の機能」発見、「機能性食品」の誕生/最初の機能性ドリンク「ファイブミニ」の衝撃度/
ファイブミニに続け! 新しい機能性食品たち/ついに成立した「特定保健用食品」制度と、厳しかった門出/
アメリカの外圧で解禁されたサプリメント/薬じゃないけど効果抜群? 過熱するサプリメント市場/
一世を風靡したアンチエイジングのサプリメント/ついに健康が国民の義務に! 「トクホ」の時代がやって来た/
吹き荒れる「メタボ特需」、トクホ飲料が大ヒット/エコナショックを救った史上初のトクホコーラ/
健康より経済優先? 「機能性表示食品」制度スタート/だれもが科学的根拠と安全性を検索できる/
やっぱりひざに効かなかったグルコサミン/免疫を向上させ、メンタルも上げる「腸内環境改善」大ブーム

第4章 科学は食と健康にどれだけ役に立ってきたのか
注目集める「フードテック」/「守り」から「攻め」に、健康法の転換/マクロビオティックのルーツ「化学的食養長寿論」/
血液型・遺伝子・脳科学は三大疑似科学/もう見過ごせない! 声を上げはじめた科学者たち/
疑似科学がのさばる健康食品の世界/なぜ人はあやしげな理論にたやすくだまされてしまうのか?/
自分の健康にとって、健康食品が本当に必要か考えてみよう/SGDsから考える食品ロスと食品不足問題/
「もったいない」を減らすためにできること/遺伝子組換え食品とゲノム編集食品、どう違うのか?/
「たんぱく質危機」が世界を襲う/1960年代、すでに実用化しつつあった「夢の人工肉」/
限りなく肉の味と食感に近づいた植物肉/進化する培養肉、昆虫食、完全栄養食

第5章 ダイエット狂騒曲
20代女性の5人に1人は「痩せすぎ」/ファッションの流行と痩身志向の深い関係/高度経済成長の終焉とダイエットの流行/
ステマの元祖、バイブル本とバイブル商法/次々と登場したおかしな笑えるタレントダイエット/
科学的な注釈がつくようになった単品ダイエット/ついに痩せるクスリ登場! ダイエットサプリ/死を招く危険なダイエット/
まだまだあります、単品ダイエット/体内の見える化を進めた体重計と体脂肪計/社会現象になったタニタのダイエット定食

第6章 新時代のダイエット
厳しすぎる? 日本のメタボ基準/ダイエットのパラダイム転換はじまる/徹底した自己管理「レコーディングダイエット」/
痩せていないと損する「見た目主義社会」/1日1食ダイエットで20歳若返る!?/お腹がグーと鳴ると活性化する遺伝子/
世界の最新ダイエットはホルモンコントロールが鍵/「これまでのダイエットは全部間違い!」/
1日おきに断食する「間欠的ファスティング」/もはや糖尿病は日本男性の国民病/アトキンスダイエット、低GIダイエットとは?/
糖尿病の治療食としてスタートした糖質制限/主食さえ抜けばなんでも食べられる、前代未聞のダイエット/
「糖質制限食こそが人類本来の食生活だ」と主張/糖質制限で得られる新しい自分になった達成感/
糖質制限で得られる新しい自分になった達成感/加工食品と外食メニューにも糖質オフが進出/ドーパミンが人類に穀物を栽培させた?/
原始人の食生活で痩せる「パレオダイエット」/もはや人体改造の領域?「ケトダイエット」/
本当に必要な人は少ない「グルテンフリーダイエット」/「日本型食生活は最強の長寿ダイエット食」?/ダイエットはカスタマイズの時代へ
 

著者プロフィール
畑中三応子 (はたなか みおこ)

編集者、食文化研究家、ライター、フードジャーナリスト。編集プロダクション「オフィスSNOW」代表。『シェフ・シリーズ』『暮しの設計』(ともに中央公論社)の元編集長。料理本を幅広く手がけ、流行食関連の研究や執筆を行う。第3回「食生活ジャーナリスト大賞」「ジャーナリズム」部門の大賞を受賞。著書に『ファッションフード、あります。——はやりの食べ物クロニクル』(紀伊國屋書店、ちくま文庫)、『カリスマフード 肉・乳・米と日本人』『〈メイド・イン・ジャパン〉の食文化史』(ともに春秋社)など。

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