世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年7月19日

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 米国平和研究所のハドレーとユスフが、6月16日付けニューヨーク・タイムズ紙に、「アフガニスタンの和平のためにはパキスタンの戦略的関心を汲んだ上での同国との対話が欠かせない、という論説を寄稿しています。論説の要旨は次の通りです。

(iStock.com/Paco Mora/Dorling Kindersley/trickzy)

 トランプ政権のアフガニスタン政策のレビューは、如何なる戦略もタリバンとハッカニに対するパキスタンの支持を縮小することなくしては成功しないという真実と向き合う機会となる。

 パキスタンについて、援助に更なる条件を付ける、制裁を課す、あるいはテロ支援国家に指定することを主張する向きがあることは解るが、この種の「ムチ」はパキスタンの行動を変えることにはならない。変えさせるには、米国はパキスタンの戦略的懸念を理解せねばならない。

 パキスタンの軍の行動はインドとの敵対関係によって規定されている。パキスタンはアフガニスタンとインドによる挟み撃ちを常に怖れている。また、インドの支持に力を得てアフガニスタンが現在の国境の正統性を問題としパキスタン領に領有権を主張することを心配している。インドの対アフガニスタン援助の大宗は経済援助であるが、近年タリバンとの戦闘支援のため軍需品を含む安全保障援助を強化してきている。

 パキスタンにとってタリバンはインドの活動を抑止する存在であるが、パキスタンは、アフガニスタンの混乱の継続、タリバンの勝利を目標にしているわけではない。それはパキスタン国内のタリバンの強化を招くからである。パキスタンの望みは、過激分子が再び国を支配することを許さないようにしつつタリバンを政治体制の中に取り込むための和解のプロセスである。

 パキスタンの懸念を軽減する必要があるが、このためにはインドとパキスタンの関係改善が必要であり、米国はアフガニスタンを含む一連の問題についての対話を手助けすべきである。

 また、米国はアフガニスタンの政治解決に本気で取り組まねばならない。最近、ガニ大統領とシャリフ首相は4ヵ国の調整グループ(米国、アフガニスタン、パキスタン、中国)を再開することで合意した。米国はタリバンを和解のテーブルに着ける方途として、この努力を支持すべきである。タリバンによる暴力を抑え込まなければ、アフガニスタンの政府は交渉に対する国民の支持を取り付け得ない。従って、4ヶ国グループを通じて和解のプロセスに発言権を持つ見返りに、パキスタンはタリバンに対する資金と武器の提供を止め、交渉に反対するタリバンの分子を排除し、交渉に参加の用意がある者にはその自由を与えるための検証可能な措置を取らねばならない。この方向でパキスタンが動くよう、米国は中国と協力すべきである。この新たなより戦略的なアプローチは、米国と協力する上でパキスタンにとってのインセンティブとなろう。

出典:Stephen J. Hadley & Moeed Yusuf,‘For Peace in Afghanistan, Talk to Pakistan’(New York Times, June 16, 2017)
https://www.nytimes.com/2017/06/16/opinion/afghanistan-pakistan-taliban.html

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