熊野市森林組合代表理事組合長の朝尾高明氏は言う。
「通常、当事者間の立ち会いのもと境界確定が行われますが、当事者の日程を合わせるにも一苦労ですし、一方の当事者が相続していた場合、所在不明で連絡が取れない場合もあります。それに10年も経てば、山の林層は変化しますから昔の地図が使えず、確定作業はさらに難しくなります」。
それゆえ、日本では「地籍調査」が依然として進んでいない。とくに、林地における同調査は09年度末時点で、42%にとどまっており、07年度末の調査で進捗率10%以下の県が13もある。滋賀、京都、大阪にいたってはわずか1%だ。
我々が無関心な日本の森林は今、大きな悩みを抱えている。
*関連記事:「外資による山林買収 感情論では解決しない」
※月刊「WEDGE」2010年9月号特集「日本の森林 『孤独死』寸前」より、コラムを抜粋。
日本の森林が抱える問題について、もっと詳しく知りたい方は、本誌をご覧ください。
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