今月の旅指南

2010年9月4日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 しだれ柳が美しい倉敷川に沿って白壁の蔵屋敷が立ち並ぶ「倉敷美観地区」。そんな風情たっぷりの町並みにあって、ひときわ目を引くのが、ギリシア神殿風のクラシックな外観をもつ大原美術館だ。

ロダンの彫刻作品が立つ
ギリシア神殿風の本館。

 昭和5(1930)年、大原美術館は、倉敷を拠点に活躍した事業家・大原孫三郎によって、日本最初の西洋美術中心の私立美術館として誕生した。孫三郎は、郷土出身の画家・児島虎次郎をヨーロッパに派遣し、エル・グレコ、ゴーギャン、モネ、マティスらの名画を収集した。なかでも16世紀スペインの巨匠エル・グレコの「受胎告知」は、日本でも数少ない貴重な古典絵画で、同館のシンボル的作品だ。

 孫三郎亡き後も、大原美術館は近代から現代の西洋・日本美術、民芸運動家の作品などを収集し続け、個性的な民間美術館として世界に知られる存在となった。

 今回の展覧会では、創立以来80年にわたって収集してきた名品を一挙公開する。大原美術館は国内外の美術館から作品の貸し出し要請を受けることが多いが、今回は貸し出しを規制しての開催。これだけの作品が同時期に並ぶことは、今後、数年間はないといわれる。

 名作の数々に、80年間積み重ね、磨き上げた大原美術館の底力を見せつけられるにちがいない。

 
 
 
 

大原美術館創立80周年記念 大原BEST
〈開催日〉2010年9月14~12月5日
〈会場〉岡山県倉敷市・大原美術館(山陽本線倉敷駅下車)
〈問〉086(422)0005
  http://www.ohara.or.jp/

◆ 「ひととき」2010年9月号より

 

 

 

 

 

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