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2017年10月29日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 10月1日にラスベガスで起きた米史上最悪の銃乱射事件は、ラスベガスにとってイメージダウンという大きな打撃を与えるものとなった。ラスベガスはカジノ、エンターテイメントの街という側面の他、世界最大級のコンベンションの街でもあるためだ。

(mauromod/iStock)

 例えば1月の第1週には世界最大の家電ショーであるCESが毎年ラスベガスで開催される。CESはラスベガスで行われる数々のコンベンションの中でも最大級のもので、今年1月の参加人数は18万5000人だった。しかも通常会期の前に開かれるメディアデーでの各社の記者会見などは事件を起こした犯人が滞在していたマンダレー・ベイホテルが中心となる。世界各国から集まるメディアのためのメディアセンターもマンダレー・ベイに設置される。

 CESの母体であるコンスーマー・テクノロジー・アソシエーションのCEO、ギャリー・シャピロ氏は今回の事件を受け「今回の突然の悲劇について大きなショックを受けている。ラスベガスはCESにとって第二の故郷のようなもの。人々の無事を心から願っている」とのコメントを出した。

 元々CESのショー自体が350人以上の警備員を独自に雇っている。今回のような事件までは想定しないものの、多くの家電製品が運び込まれるコンベンションセンターでは毎年のように窃盗事件が起きる、という。窃盗だけならまだしも、組織ぐるみの情報漏洩にも最近では非常に神経を張り巡らせている。

 CESの場合、記者会見には巨大企業のCEOなども訪れるため、メディアセンターの入り口には警備員が立ち並び、メディアパスの確認とともに持ち込むカバンの中身もチェックされる。テレビなど、機材を運び込む必要がない限りメディアセンターに持ち込めるのは小さなカバン一つ、と定められている。

 しかしチェックとはいえ係員がカバンの中身を覗き込むだけで、X線検査までは行われていない。カバンの奥に小さなハンドガンがあったとしても見落とされる可能性は否めない。また基調演説になるとメディアだけではなく一般参加者も視聴できるため、セキュリティ・チェックが間に合わないのが現状だ。来年のCESではもちろんこうしたセキュリティの強化が行われることは間違いないが、事件を受けてこれまで毎年のように増加してきた参加者が減少するのでは、という懸念も生まれている。

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