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2017年10月6日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 「未来の乗り物」としてのハイパーループ(真空に近いチューブの中をカプセル型の乗り物がエアプッシュによって高速で移動する乗り物)を全世界に広める計画を持つハイパーループ・ワン社(本社ロサンゼルス、ラスベガスに実験走行路線を建設)が、昨年から募集していた「グローバル・チャレンジ」の勝者を発表した。

(maximmmmum/iStock)

 グローバル・チャレンジとはハイパーループ建設を世界各地の自治体と共同で行うことを前提に、具体的な路線、建設計画などの提出を求め、ハイパーループ・ワン側が路線設置に適しているかどうかを審査、全世界で10の路線建設に乗り出すことを目的に行われたもの。応募は全世界100以上の地域から行われ、15カ月に及ぶ精査が行われた。

 その結果選ばれたのは「シカゴーコロンバスーピッツバーグ」「デンバーープエブロ」「マイアミーオーランド」「ダラスーヒューストン」(以上米国)「トロントーモントリオール」(カナダ)「メキシコシティーグアダラハラ」(メキシコ)「グラスゴーーリバプール」「エジンバラ〜ロンドン」(英国)「ムンバイーチェンナイ」「ベンガルールーチェンナイ」(インド)の10路線。ハイパーループ・ワンによるとこれらの路線が実現することで53の都市部、6000キロ以上、そして1億4800万人がハイパーループにより繋がる、という。

 今後ハイパーループは計画を提出した母団体と協力し、あらゆるリソースを提供して路線実現に向けて動くことになる。ただしハイパーループ計画を持つのはこれら10地域だけではない。ハイパーループ・ワンではグローバル・チャレンジに先立ちすでにフィンランド、ドバイ、ロシア、ロサンゼルスで実際的な計画を進めてきた。それに対する世界の反応から、自主的にハイパーループを導入したいと考える自治体や地域を募集する考えに至った、という。

 ハイパーループ・ワンの経営陣にはXプライズ・ファンデーション(ロケット、無人飛行機、ソーラーカーなど様々なテーマで賞金をかけての世界的なコンペティションを開催する団体)のペーター・ディアマンディス氏が参画している。そのためグローバル・チャレンジのような企画が立てやすい環境にあったことも大きい。

 今回のグローバル・チャレンジの最大の成果として、ハイパーループ・ワンとコロラド州交通局(DOT)との正式提携が結ばれた点が挙げられる。コロラド州デンバーはパナソニックと提携したスマートシティ計画、全米の都市としては初めての「自動運転バスの公道走行許可」など、非常に先進的な政策をとっている。政府、民間との協力もスムーズで、おそらくハイパーループが実現するとすれば米国ではコロラド路線が最初の物になる、と期待がかかる。

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