サムライ弁護士の一刀両断

2017年11月28日

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河本秀介 (かわもと・しゅうすけ)

弁護士

敬和綜合法律事務所所属。
東京大学卒業後、三菱重工業での勤務経験を経て、2007年に弁護士登録。
以後、会社関係訴訟、企業経営への助言、株主総会指導、M&Aアドバイスなど、コーポレート分野を中心に、幅広い内容の業務を遂行している。

 本年12月1日、改正不動産特定共同事業法が施行されます。改正のポイントのひとつに、不動産投資をクラウドファンディングで行うための法整備が含まれています。

 近年、とりわけ人口減少化が進む地方では、高齢化や人口の減少による空き家・空き店舗の増加が深刻な問題となりつつあると言われています。今般の法改正には、そういった空き家などの解消に向けて、クラウドファンディングを活用しようという思惑が含まれています。

 クラウドファンディングはここ数年、国内外で急速に成長を続けており、既に日本国内の市場が1000億円規模になっているという試算もあるようです。果たしてクラウドファンディングは空き家問題の有効打になるのでしょうか。

(Image Source Pink/iStock)

空き家再生型クラウドファンディング

 まず、空き家問題に対して、クラウドファンディングがどのように活用されるかですが、次のような方法が想定されます。例えば、地方の不動産業者が、地元で空き家となっている物件を買取り、リノベーション(中古物件を改修・改装して再生すること)した上で飲食店などに賃貸して収益を得るといったプロジェクトを企画したとします。

 こういったプロジェクトの実行資金を集めるにあたり、クラウドファンディングを活用することが考えられます。プロジェクトを、クラウドファンディングを取り扱うウェブサイトに掲載し、インターネット上で資金を募集するのです。

 インターネットにより不特定多数の投資家がプロジェクトを閲覧しますので、地元で足を使った営業をするよりも幅広い層の投資家に向けて、なおかつ、多数の投資家に向けた呼びかけができます。さらにインターネットを活用することで営業コストも削減できますので、多くの投資家から資金提供を受けることが可能となります。たとえ投資家一人あたりから受ける出資金が少なくても、数多くの出資を集めることでプロジェクトを実行可能な資金を集めることが可能です。
「ちょっとした貯金を使って少額の投資をしたい」「都心に住んでいるけど、故郷の地元の不動産に投資をしたい」などといった、従来は営業することが難しかった層に向けた呼びかけができるのがクラウドファンディングの強みです。

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