今月の旅指南

2017年12月21日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 今から1100年余り前の平安時代に、宇多(うだ)天皇により創建された京都の仁和寺(にんなじ)。宇多天皇が出家後、仁和寺の境内に御室(おむろ)(僧房)を建て隠棲したことから、天皇家とのゆかりが深い。その「御室」の名を冠した真言宗御室派の総本山である仁和寺と、全国の御室派寺院の国宝仏や秘仏66体を含む約170件が一堂に会する展覧会が開かれる。

国宝 《阿弥陀如来坐像》
平安時代・仁和4年(888) 京都・仁和寺蔵

 見どころは、仁和寺創建当時の本尊「阿弥陀如来坐像(あみだにょらいざぞう)」(国宝)。一木造(いちぼくづくり)の優美な造形は平安時代の和様彫刻の始まりを象徴するとされる。また、大阪・葛井寺(ふじいでら)の天平彫刻の傑作「千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)坐像」(国宝)は、1041本の手を持つ希少な十一面千手千眼観音像で、東京で見られるのは江戸時代の出開帳以来という。

 仏像に加え、弘法大師・空海が唐(中国)から書写して持ち帰った経典類「三十帖冊子」や、天皇直筆の「高倉天皇宸翰消息(しんかんしょうそく)」(いずれも国宝)も特別に公開される。

 仁和寺では現在、5年間をかけた観音堂の改修工事が進められている。本展では平成30年12月完成予定の観音堂を、実際の33体の仏像と堂内の壁画を撮影した高精細画像を使って再現する。観音堂は僧侶の修業の場で通常非公開のため、その厳かな雰囲気を体感できるまたとない機会となるだろう。

●特別展 仁和寺と御室派のみほとけ—天平と真言密教の名宝—
 <開催日>2018年1月16日~3月11日
会期中、展示替えあり
 <開催場所>東京都台東区・東京国立博物館 平成館(山手線上野駅下車)
   <問>☎03-5777-8600

   URL:http://www.tnm.jp/
   URL:http://ninnaji2018.com/

*情報は2017年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2018年1月号より

 

 

 

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