今月の旅指南

2017年10月24日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 18世紀の王侯貴族に愛され、時代とともに変遷を遂げてきたセーヴル磁器。その300年にわたる創造の軌跡を振り返る展覧会が開かれる。

 セーヴル磁器の歴史は、セーヴル磁器製作所(セーヴル窯)の前身のヴァンセンヌ製作所が1740年に創設されたことに始まる。ルイ15世の庇護のもと規模を拡大し王立セーヴル磁器製作所となり、宮廷芸術家たちが考案する優雅な作風で、ヨーロッパ屈指の磁器ブランドとしての地位を築いた。

 展示は「18世紀」「19世紀」「アール・ヌーヴォーとアール・デコ」「1960年代~現在」の4つの章で構成。宮廷人を魅了した「パーヴェル・ペトロヴィチのティーセット」や「マリー・アントワネットのための乳房のボウル」などの食器セットや壺をはじめ、1900年のパリ万博で絶賛されたテーブルセンターピース(テーブルの中央に置く装飾品)「スカーフダンス」といった、数々の名品を時代ごとに鑑賞できる。

パーヴェル・ペトロヴィチのティーセット 1772~73年 セーヴル陶磁都市蔵 Photo © RMN-Grand Palais (Sèvres, Cité de la céramique) / Droits réservés / distributed by AMF

 なかでも見逃せないのが、1904年にセーヴル初の外国人の協力芸術家となった日本人彫刻家、沼田一雅(いちが)の作品。現代のセーヴルの磁器芸術を展示したコーナーには草間彌生による彫像もあり、今も続くセーヴルと日本との交流の一端に触れられる。

●六本木開館10周年記念展
 フランス宮廷の磁器 セーヴル、創造の300年

 <開催日>2017年11月22日~2018年1月28日
 <開催場所>東京都港区・サントリー美術館(東京メトロ日比谷線六本木駅下車)
   <問>☎03-3479-8600

   URL:http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/10th/index.html
    http://www.suntory.co.jp/sma/exhibition/2017_6/index.html

*情報は2017年9月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年11月号より

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