今月の旅指南

2017年9月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 19世紀後半に西洋の芸術家たちの間で巻き起こった「ジャポニスム」ブームで、最も注目された画家、葛飾北斎。江戸時代後期に活躍した、この浮世絵師に影響を受けた印象派絵画などの名品を紹介する、日本初の展覧会が開かれる。北斎という異文化の作品に着想を得て生み出された、西洋の芸術家たちによる創造の軌跡を知る絶好の機会だ。

 会場にはモネ、ドガ、セザンヌ、ゴッホらに代表される西洋芸術の作品約200点と、北斎の錦絵や版本など計約90点(予定)が集結。

 なかでも見どころは、北斎作品と西洋美術の傑作との「夢の共演」だ。似たポーズをとる、「北斎漫画」の登場人物とドガの「踊り子たち、ピンクと緑」。北斎の「冨嶽三十六景 東海道程ヶ谷(ほどがや)」の松の並木に呼応するモネの「陽を浴びるポプラ並木」。遠景に主題である山を配した北斎の「冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二(すんしゅうかたくらちゃえんのふじ)」と同じ視点で描かれたセザンヌの「サント=ヴィクトワール山」など。多くの芸術家を魅了した「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏(なみうら)」を立体作品に応用したカミーユ・クローデルの「波」も見逃せない。

 西洋の芸術家が北斎から学び、新しいものを作り出そうとした芸術のエネルギーを感じるよい機会となりそうだ。

[左]葛飾北斎 《北斎漫画》十一編(部分) 刊年不詳 浦上蒼穹堂蔵
[右]エドガー・ドガ 《踊り子たち、ピンクと緑》 1894年 吉野石膏株式会社蔵、山形美術館寄託

●北斎とジャポニスム—HOKUSAIが西洋に与えた衝撃
 <開催日>2017年10月21日~2018年1月28日*会期中、展示替えあり
 <開催場所>東京都台東区・国立西洋美術館 (山手線上野駅下車)
   <問>☎03-5777-8600

   URL:http://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
    http://hokusai-japonisme.jp/

*情報は2017年8月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2017年10月号より

 
 


 

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