2024年12月4日(水)

実践者・中村龍太が考える「カシコイ副業」

2018年2月16日

 文章を書くのが嫌いな僕が、なんだかんだ言って、第五回目の記事の掲載になってしまった。第一回は、みんながする必要がない副業。第二回は、副業・複業の定義。第三回は、副業・複業をする手前の話。第四回は、会社からみた副業。そもそも、読者の反応はどうなんだろう? そう思っている時、Wedgeさんから第一回目の記事の読者像の連絡があった。

 それによると、20代と30代で58.7%と半数超え。全体の読者像に比べて20代と30代が約10%高いことが特徴らしい。「逃げ切れない世代」の関心の高さが感じられる数字、これがリアルだ。実は、人生100年時代、50代である僕の世代も「逃げ切れない世代」なのに……。さて、今回、何を書こうか……そうだ! その「逃げ切れない世代」が、僕に相談を依頼された36名の方のリアルな質問に対して答えたことを書いてみようと思った瞬間、やっとタイピングが進みだした。

中村龍太(複業家・ポートフォリオワーカー) 1964年広島県生まれ。大学卒業後、1986年に日本電気入社。1997年マイクロソフトに転職し、いくつもの新規事業の立ち上げに従事。2013 年、サイボウズとダンクソフトに同時に転職、複業を開始。さらに、2015 年には NKアグリの提携社員として就農。現在は、サイボウズ、NKアグリ、コラボワークのポートフォリオワーカー。2016年「働き方改革に関する総理と現場との意見交換会」で副業の実態を説明した複業のエバンジェリストとして活躍中。

副業する際の家族への許諾は?

 自分が副業しようとしても周りの人達の理解が得られない、社会で当たり前になっていないことに対して行動するときに、どこでもありそうなことだ。僕の場合の一番の良き理解者になってもらう人は「嫁」。なぜ、今、転職+副業なのか? その時に、マイクロソフトで働いて満足をしている自分と将来の不安を共有するところから……何度も対話した。

 ただし、結構、時間がかかったのは、第二回の記事に書いたように大学生の子供をもつ親としての心配事。それは、短期的な現実の生活費と教育費……そう! お金だ。それをどう説明できるか……NEC時代から保管している給与明細と嫁が記録している2~3年の生活費の数字をExcelに引っ張り出し、税理士と一緒に副業したときの収入のシミュレーションを作り……「今の生活費と2人の教育費は大丈夫!」と嫁に言い切れたことが、勝因であった。

 正に、これは、会社でいう事業計画書を作るようなもの。第三回の記事で紹介した蓮根農家の川端崇文さんも「僕も農業に手を出すときに家族に同じことをした!」と聞いて、これがとても大切なことだということに改めて気づく。


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