赤坂英一の野球丸

2018年1月24日

»著者プロフィール

 今シーズンからまた野球のルールが大きく変わる。今月11日、プロ・アマ合同日本野球規則委員会が東京都内で開かれ、以下の2点が正式に決まった。①敬遠四球を投手が実際に投げず審判に伝えるだけで成立する「申告敬遠」の導入。②走者がいない場合に限り、投球動作の途中で制止したり、段をつけたりする「2段モーション」を反則としない。

(Michail_Petrov-96/iStock)

 どちらもメジャーリーグに倣ったもので、最大の目的は時間短縮にある。また、近年ではコリジョン・ルール(クロスプレーで走者が捕手や内野手にぶつかるタックルやスライディングを禁じる規則)のように、メジャーでルール変更が行われると、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)や五輪などの国際大会でもこれが採用されるようになっている。グローバル・スタンダード(国際基準)に合わせる改正でもあるわけだ。

 しかし、こんな変更が行われるたび、また野球がつまらなくなるのでは、と首をひねりたくなるのは私だけではないだろう。私は昨年1月18日付の記事『今年から「ゲッツー崩し」も禁止に』で、走者が内野手をめがけて滑り込むスライディングが禁じられたことに異議を唱えた。危険な行為を禁じて選手を守ろうとする目的は理解できるものの、そこまでルールで縛っては、野球というゲームの興味を削ぐことになるのではないか、と考えたからである。

 これには現役時代に名内野手として知られていた某球団のコーチが賛同する声を寄せてくれた。「ダブルプレーを妨げようとするのはプロの走塁テクニックのひとつ。その突っ込んでくる走者をいかにかわしてゲッツーに仕留めるか、が内野手の見せどころでもある。このルール変更はプロの見せ場を奪うものですよ」という意見には、うなずく野球ファンも多いのではないか。

 今回正式に決まった「申告敬遠」についても、昨シーズンから導入されたメジャーで、イチローがはっきりと批判している。昨年9月18日(現地時間)のマーリンズ-メッツ戦で自分が「申告敬遠」で歩かされると、試合後に「面白くないね。ダメだね、アレ。アレは(元に)戻さないとダメでしょう。戻せよ、という感覚。そう思いました。空気感があるでしょ、(投手が実際に投げる)4球の間に。面白くないですよ」と斬って捨てたのだ。

 日本では、過去に巨人のウォーレン・クロマティ、阪神の新庄剛志が敬遠投球を打ってサヨナラヒットにしたり、巨人の上原浩治がヤクルトのロベルト・ペタジーニへの敬遠を命じられてマウンド上で悔し涙を流したり、敬遠四球にまつわる名場面もあった。当時の画像はルール変更を報じたテレビニュースでも流れたから、見た人も多いだろう。

 大体、1試合にせいぜい二~三度、一度もないことも珍しくない「4球の間」を削ったぐらいで、どの程度の時間短縮になるというのか。また、敬遠は申告するだけでなく実際に投げて敬遠すること、もしくは投球の途中で申告して敬遠することもできる、というのもいかにも中途半端な印象を受ける。

関連記事

新着記事

»もっと見る