今月の旅指南

2011年1月7日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 昭和20年代から30年代にかけての出版美術を紹介する、ちょっと珍しい展覧会が東京都文京区の弥生美術館で開催される。

志村立美「別冊読切傑作集」
昭和31年2月号表紙原画 (個人所蔵)

 出版美術とは、雑誌や新聞、絵本などに描かれた挿絵やマンガなどのこと。戦後、まだ娯楽の少なかった時代、人々の楽しみといえば、雑誌や新聞の連載小説、マンガ、絵本などを読むことだった。そこに描かれた挿絵には読者の夢や憧れが凝縮されており、挿絵画家はスター的存在だった。

 今回の展覧会では、挿絵界の双璧といわれた岩田専太郎と志村立美〔しむらたつみ〕の作品を中心に、この時期に活躍した挿絵画家・漫画家約250人とその作品を一挙に紹介する。

 写真は、昭和31(1956)年に双葉社の大衆文芸雑誌「別冊読切傑作集」の表紙を飾った志村立美の作品。正統派の凛とした“立美美人”は多くの読者の心をつかみ、挿絵界の寵児となった。一方、戦前から常に挿絵画壇のトップに君臨していた岩田専太郎は妖艶な女性を得意とした。

 ほかにも、武内つなよしの「赤胴鈴之助」(「少年画報」付録)や蔦谷喜一の「ぬりえ袋表紙絵原画」など、当時大ヒットした挿絵がズラリと並び、華やかな挿絵の世界に誘う。ひととき懐かしい昭和の時代にタイムスリップしてみてはどうだろう。

 
 
 
 

百花繚乱!挿絵の黄金時代展
〈開催日〉2011年1月4日~3月27日
〈会場〉東京都文京区・弥生美術館(東京メトロ千代田線根津駅下車)
〈問〉03(3812)0012
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

◆ 「ひととき」2011年1月号より

 

 

 

  

 
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