家電口論

2018年4月6日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 私事ですが、入社した時、研修ということで、相部屋合宿したことがあります。研修期間は、長期約2カ月。身の回りのものだけと言うことで、夜具と筆記道具、そして日常の衣類にグルーミング道具だけ持って行きました。しかし、ピリピリした感じの研修ではなく、適性を見るので、親睦を含めながらという感じ。初日の夜に、相部屋の友と相談、追加の家電を2つ買うことにしました。コーヒーメーカーとラジカセです。

 クラシックのような本格的な音楽を楽しむならともかく、J-ポップ(この頃は、歌謡曲という言葉も死語ではありませんでした)を楽しむなら問題ありません。それよりも、ラジオ、CD、カセットの全部入りですから、とっても便利。

 このように、多くの人が音楽を楽しめるようになったのは、「ラジカセ」と「ウォークマン」が普及したおかげと言えます。

 

今でも人気があるラジカセ

 今でも「ラジカセ好き」の人は結構います。彼らが利用するのは、ネット・オークションですね。昔の人は、割とモノを取っておきます。「息子のラジカセ」ということで、ホコリをかぶりはままではありますが、実家にあったりすることは多いです。そう言ったラジカセが世に出回るわけです。結構な値が付いていると聞きます。

 最近、ある会社で「今も売っているのですよ」というラジカセを見せてもらいました。どこかで見たデザインだと思って、「これって『サンヨーのU4』ですよね」と聞き直すと、「そうです。金型を、デザインの権利ごと買ってきて作っています」との答え。U4のデザインはダックスフンド型。細長いデザインが特長なのでわかったのですが、需要はかなり高いそうです。

 去年は、西武で「大ラジカセ展」も行われました。おじさまが集まり、人気だったそうです。

東芝の家電

 東芝の家電で有名なモノというと、野菜室が真ん中にある「冷蔵庫 ベジータ」、ウルトラファインバブル洗浄の「洗濯機 ザブーン」、「電子レンジ 石窯ドーム」など。日本初の歴史もかなりある優良家電メーカーの製品とあって、「サザエさん」のように安心できる家電の一つでした。

 しかし、その信頼は「不正会計」で見事に崩れます。白物家電を担っていた東芝ライフスタイル社は、中国マメディア・グループに売却され、マメディア・グループの一企業として、東芝ブランドの白物家電の開発・製造・販売を行っています。黒物と呼ばれる映像家電は、中国のハイセンスグループへ。ま、見事な解体ぶりというしかないです。しかし東芝ブランド製品は頑張っています。昨年発表されたマイクロファインバブル洗浄の洗濯機は、なかなかの傑作です。

 そして、今年2月、ラジカセ発表の案内状が届きました。案内状をもらった瞬間、「?」の嵐でした。中でも大きかったのは、今ラジカセでビジネスできるのかと言う思いでした。数量は多く見積もっても、月当たり万を越えることはないでしょうし、ユーザーが今後拡大する理由もないように思えます。普通なら、発表会などしません。「どんなモデルが出てくるのだろうか?」という思いで発表会に行ってみました。

出てきたのは「TOSHIBA」でなく、「Aurex」の「高級ラジカセ」

 会場に入ると、新製品が展示してありました。80年代のラジカセとは似ても似つかない。どちらかと言うとミニコンポ然としたイケメンの製品です。80年代のラジカセは、外に持ち出すのが前提でしたので、デザインのそこかしこに、Gショックのようなゴツさがあるモデルが多かったのですが、このラジカセからは、そんな感じは微塵もありません。リビングに置いても可笑しくない気品があります。

AurexブランドのハイレゾCDラジカセ「TY-AK1」オープン価格、3月下旬発売

 ブランドはAurex(オーレックス)。昔、オーディオは趣味性が高く、白物家電とは違うブランドを冠していました。日常ブランドだと性能が劣るように思われたのかもしれません。AV系に特化して世界的なメーカーとなったソニーはブランドイメージが今でも高いのですが、それが黒物と白物の差でもあります。

 松下(現パナソニック)が「テクニクス」、東芝が「オーレックス」、日立が「ローディ」。三菱は「ダイヤトーン」。この中で、レコードプレーヤーで有名なテクニクス、スピーカーで有名なダイヤトーンはともかく、「オーレックス」と「ローディ」は、当時のマニアでないとなかなか知りません。

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