世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年4月13日

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 コーンNEC(国家経済会議)委員長が3月6日に辞任を発表した後、3月13日には、ティラーソン国務長官が、本人にも知らされないまま、突然トランプ大統領の発表で解任することになった。そして、それから10日も経たない3月22日、トランプ大統領は、自らのツイッターで、4月9日付で、マクマスター国家安全保障担当補佐官は、ボルトン大使にとって替わると、つぶやいた。つぶやきにしては、重大すぎる発表だった。

(iStock.com/irontrybex/cynoclub/sagarkalal/fad1986)

 ただ、ティラーソン国務長官にしても、マクマスター国家安全保障担当補佐官にしても、昨年から、いつ辞任することになるかとの噂がワシントンにはあった。それゆえ、想定内のことではあったが、矢継ぎ早に、三人のトランプ政権の高官の辞任・解任があったことは、やはり驚くべきことと言わざるを得ない。

 マクマスター国家安全保障担当補佐官は、ティラーソン国務長官同様、オバマ政権時代にイランと「P5+1」(米露中英仏独)が結んだイラン核合意の維持を主張し、その合意は悪いものだとして再検討を促すトランプ大統領とは反対の立場にあった。また、ロシアに対する態度でも、マクマスター補佐官とトランプ大統領は対立していた。マクマスターは、2016年の大統領選挙にロシアの介入があったと批判したが、トランプは、ロシアの影響はないと述べている。この3月のロシア大統領選挙後には、トランプはプーチン大統領の再選に祝意を述べたが、マクマスターは、その直前に英国で起きた元ロシア諜報員の暗殺もあり、祝意を表すべきではないと進言していたそうだ。さらに、マクマスター補佐官は、コーン委員長とともに連名でニューヨーク・タイムズ紙及びウォールストリート・ジャーナル紙に論説を寄せ、トランプ大統領の提唱する「アメリカ第一主義」に関して、それは、米国の利益を追求しながら国際的指導力を発揮する米国である、と説明していた。この点、諸外国との外交は上手く行っていたが、トランプ大統領は、二人を国際協調主義者と捉え、国家主義者の自分とは立場が異なると考えていたようである。

 既に、昨秋にはマクマスター補佐官を退任させようとの動きもあったらしいが、トランプ政権が発足して、翌月2月にフリン安全保障担当補佐官が解任されて、1年以内に3人目の安全保障担当補佐官となるのは良くないということで、年を越したらしい。それにしても、3月8日に韓国の大統領特使が、米朝首脳会談の話をもってきて、トランプ大統領がそれを受諾した時に同席していたマクマスター補佐官が、その直後に辞任することになったことに、一番驚いているのは韓国かもしれない。マクマスター補佐官は、韓国大統領特使にとっては話しやすいカウンターパートであったようだ。

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