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2018年4月20日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 「働き方改革」が求められる今の時代を先取りして、秘書、経理、人事などに特化した仕事を社外のアシスタントがサポートしてくれるサービスが急成長している。アシスタントは実務経験のある地方在住の女性で、顔は見えないが空いている時間を使って任せられた仕事をこなす。外部の人材を活用するアウトソーシングと呼ばれる仕事形態で、秘書スタッフなどを雇う余裕のないベンチャー企業にとっては便利なサービスなため、利用する企業が増えている。

(ariadnaS/iStock)

「リモートワークを当たり前に」

 このビジネスを運営する会社「キャスター」を2014年に20代で立ち上げたのが中川祥太社長。大阪府泉大津の出身の弱冠31歳。どこに旺盛な起業精神があるのかという物静かな話しぶりだが、ネット絡みの仕事の話になるとエネルギッシュになる。大学生の時に急成長していたライブドアマーケティングのコールセンターにアルバイトとして入り、インターネット回線を、全国の個人宅に案内する電話セールスの仕事を担当した。

 その後、東京都内で古着屋を立ち上げた際に、隣の店舗がネット販売で売り上げを大きく伸ばしていたのがきっかけで、ネットビジネスの魅力に取りつかれた。「ネットを使えばできないことはない」と確信が生まれた。これが中川社長の仕事の原点だ。それから、サイトの画面を点検する「イー・ガーディアン」の事業の立ち上げに参加するなどして、ITの最新技術を身に着けた。

 中川社長のモットーは「会社に出勤しなくても、自宅、旅先などすべてが職場となるリモートワークを当たり前にすること」で、名刺には「世界最高のオンラインアシスタントサービス」と書いてあり、この事業への自信がうかがえる。

フラットな組織

 請求書の発行、会食の予約、スケジュール管理など、自分がやらなくてもいい仕事を代わりにやってくれる。本業が忙しい中、こうした雑用は誰かにやってほしいが、わざわざ秘書を置くほどではない場合に、こうしたサービスがあると重宝だ。

 このサービスを利用すれば、そのために人を雇うよりはるかに安上がり。低価格で利用できれば、社員は雑務から解放されて、本来の仕事に専念でき、会社として余分な人や設備を持つ必要がなくなりシンプルな経営ができる。

 「キャスター」の会社組織は、役職は取締役とマネージャーのみで、ほかはフラットな組織になっている。課長、部長、本部長といった階層がないため、意思決定の単位を分散させ、事業の決定スピードを速めることができる。経営陣や全員の給与まで経営情報をすべて開示しており、すべてのミーティングに誰でも参加できるなど、オープン経営を徹底している。

 社員の勤務時間はスーパーフレックスで、最も成果を出しやすい時間を選んで働いてくれれば良いという。

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