世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年4月27日

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 シリアのアサド政権が同国の東ゴーダ地区で民間人に対し化学兵器を使用したとして、4月14日、米英仏はシリアの化学兵器関連施設3カ所を巡航ミサイル等で攻撃、破壊した。この件につき、トランプ大統領が行った演説の要旨は次の通り。

(iStock.com/tiero/ cloverphoto/ sumografika)

 1年前、アサドは自国の無辜の民に対し、野蛮な化学兵器攻撃を行った。米国は58発のミサイル攻撃で対応、シリア空軍の20%を破壊した。

 4月7日、アサド政権は、ダマスカス近郊で無辜の民を虐殺した。これは、アサド政権による化学兵器使用のパターンの重大なエスカレーションだ。

 この悪魔的で卑劣な攻撃が、母親、父親、幼児、子供にとんでもない苦痛を与えた。これは人間の所業ではなく、モンスターの犯罪である。

 第一次大戦後、文明国は化学兵器を用いた戦争を禁止した。化学兵器は、酷い苦痛を与えるだけでなく、少量でも広範囲に惨害をもたらし得る点で特異である。

 今晩の我々の行動の目的は、化学兵器の製造、拡散、使用に対する強力な抑止力を確立することである。それは、米国の安全保障上の重大な国益である。我々は、シリアの政権が禁止された化学物質の使用をやめるまで、共同の対応を続ける用意がある。

 犯罪的なアサド政権を支持し、装備を与え、資金を提供している、イランとロシアに対し、メッセージがある。どういう国が、無辜の民の虐殺者の仲間だと思われたいのか。世界中の国は、いかなる友人を持つかにより判断される。ならず者国家、残虐な暴君、殺人的な独裁者を助長するいかなる国も、長期的には成功し得ない。

 2013年にプーチン政権は、シリアの化学兵器を除去すると世界に約束した。アサドの最近の攻撃と今日の対応は、ロシアが約束を守れなかったことへの直接的な結果である。

 ロシアは、この暗い道を転落し続けるのか、それとも文明国に加わるのか選択しなければならない。我々は、ロシアともイランともうまくやっていきたいと望んでいるが、そうならないかもしれない。

 米国には、提供できるものが多くある。昨年、シリアとイラクでは、ISISに支配されていた領域のほぼ100%を解放した。米国は、中東のいたるところで友情を回復してもいる。

 米国は、いかなる状況においても、シリアへの永続的な駐留を求めない。他の国々が貢献を増し、米兵が帰国できる日を楽しみにしている。

 問題の多い世界を目の当たりにして、米国はいかなる幻想も抱いていない。我々は世界中のすべての悪を無くすことはできない。

 我々は、中東を良くするよう努力するが、中東は厄介な地域である。米国は中東のパートナーであり友人であるが、中東の運命は地域の人々自身の手にある。

 前世紀、第一次大戦終結までに、100万人以上が化学兵器により死亡したり傷ついたりした。我々は、その再現を見たくない。それゆえ、米英仏は今日、野蛮と残虐性に対し、正義の力を行使したのである。

出典:‘Joined by Allies, President Trump Takes Action to End Syria’s Chemical Weapons Attacks’, White House, April 14, 2018

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