世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2018年5月8日

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 4月17日、米国上院の軍事委員会にて、次期太平洋軍司令官に指名されているフィリップ・デイヴィッドソン提督の公聴会が行われた。多岐にわたる質疑応答のうち、日本に関わる部分を以下に紹介する。

(iStock.com/dibrova/ jmbatt/Jupiterimages/milkal)

(1)    日米安全保障関係の現状について

 日米同盟は70年以上、インド・太平洋地域の平和、繁栄と自由の礎石である。日米両国は、同盟をさらに強化するため、次の数十年に向けて、役割分担を含めた兵力再編を始めた。2015年の日本の平和安保法制と新日米防衛ガイドラインは、日本の役割を拡大させた。日米の軍同士の関係はかつてないほど強固である。

 (2)    日本の隣国との関係が日米関係に及ぼす影響について

 日本が近隣諸国と建設的関係を築くことは重要なことである。日本は、韓国、豪州、インド、アセアン諸国との防衛協力を拡大すべきと思う。日本は、米国や米国の同盟国と協力することで、より国際平和に貢献できる。日本は、ルールに基づいた国際秩序の重要性を認識し、「自由で開かれたインド太平洋戦略」を推進している。北東アジアにおける多国間安保対話の進展は、日米韓の連携による。その点、日韓関係が歴史や領土対立で緊張することを懸念する。日韓両国間で問題解決するにしても、外部勢力が摩擦を利用して、米国と同盟国との離反を図ろうとすることには注意しなければならない。

 (3)    日本の対北朝鮮、対中国の抑止力を高めるためにすべきことについて

 日本政府は、北朝鮮や中国に関係なく、自衛隊の対空防衛力及びミサイル防衛力を向上させようとしている。私は、日本は、さらに海洋安全保障、情報、監視等の分野の能力も高めてほしいと思う。

 (4)    普天間移設計画について

 日米両国は、長期的持続可能な米軍のプレゼンスを確保するため、在日米軍の再編を進めることで一致している。そして、普天間の海兵隊基地を返還する唯一の解決策がキャンプ・シュワブへの移設であることも確認している。

 (5)    在日駐留経費等について

 日本の経費負担は適切なものである。日本は、グアムへの移転や普天間移設を含む在日米軍再編費用の相当の割合を負担している。日本が、日本以外の米国の主権の及ぶグアムの経費を負担するのは初めてのことである。概算して、日本は移転費用の約3分の1を負担する。米軍駐留経費に関しても、日本は公平な負担をしている。米軍で働く日本人スタッフに関しては90%、光熱費に関しては61%負担している。また施設の維持費や移動訓練費等も相当負担してくれている。2015年12月に合意したホスト・ネーション・サポートの5か年計画でも、日本は負担額を1%増額してくれた。日米同盟及びインド太平洋の安全保障のために必要なのは、在日米軍の駐留経費への日本の負担を増やすことではなく、現代の脅威に適した日本の防衛力を高めるために日本が投資することである。

出典: US Senate ‘Advance Policy Questions for Admiral Philip Davidson, USN Expected Nominee for Commander, U.S. Pacific Command’ (April 17, 2018)
https://www.armed-services.senate.gov/imo/media/doc/Davidson_APQs_04-17-18.pdf

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