世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2017年10月13日

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 ウィルソン米空軍長官とゴールドファイン米空軍参謀長が連名で、9月11日付のウォールストリート・ジャーナル紙に、「空軍はもっと高い目標のための予算を必要とする」と題する論説を寄せています。論説の要旨は、次の通りです。

(iStock.com/JOHNGOMEZPIX/argus456/vavlt)

 我々(ウィルソンとゴールドファイン)は最近、アフガンのバグラム空軍基地で、IS(イスラム国)との戦いで戦死した兵士の遺体が本国に送り返されるのに立ち会った。我々は空軍兵士と会い、かつ空軍作戦を評価するために、イラクとアフガンを訪問した。またカタールでは、573回の出撃を1回も点検のためにキャンセルしなかったB-52の乗組員と会い、またイラク兵士にトラウマの治療をしている空軍の医療チームにも会った。我々は、滑走路を維持している施設部隊の話も聞いた。米国は、これら空軍兵士を誇るべきである。彼らは気概ある有能な市民である。しかし、これらの兵士は必要な支援を得ているのかとの疑問がいつも我々の頭にあった。

 現在の空軍は国家が期待する任務を遂行するためには小さすぎる。1991年のイラク戦争時、空軍には134の戦闘機大隊があったが、今は55大隊しかない。パイロットも1500名も足りない。シリアとイラクの地上軍を保護する出撃は平均8回の給油が必要で、イラク、シリア、アフガンで一日当たり給油機は60回出撃する。給油機パイロットは戦場に6か月、本国で6か月過ごす。本国でも訓練を受けなければならない。

 米国にいる航空機の遠隔操作要員は12時間のシフトで働いており、6日勤務で1日休みである。彼らとその家族の献身にも拘わらず、6、7、8年もこの調子では疲れ切ってしまう。彼らはもっと普通の生活ができる職業を探すようになる。

 予算不足が米軍を危険にさらしている。空軍は2018年予算として、1324億ドルを要求した。昨年の1238億ドルではやっていけない。強制削減のレベルに戻すことは全くよくない。ISと戦い、太平洋で侵略を抑止するなかで、強制削減レベルでの予算は飛行時間の削減をもたらす。いくつかの飛行大隊は駐機したままになる。訓練飛行をしないことはパイロットや熟練兵士の離職につながる。民間航空機会社は彼らを雇いたがっている。

 強制削減予算は、兵器や弾薬の調達にも影響を与えるが、最も心配なのは空軍兵士への影響で、彼らの熟練した能力は重要であり、簡単に代替できない。

 バグラム基地で、戦死した兵士に何百万の空軍兵士が敬礼した。彼らはわが国の国家防衛を誓っている。国家も彼らを支援する責任を持つ。合理的な予算が必要である。

出典:Heather Wilson & David Goldfein ‘The Air Force Needs a Budget That Aims Higher’ (Wall Street Journal, September 11, 2017)
https://www.wsj.com/articles/the-air-force-needs-a-budget-that-aims-higher-1505171248

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