中国メディアは何を報じているか

2018年5月10日

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 先週、中国で大きな話題を呼んだのは、120周年の記念イベントを開いた北京大学。注目を集めたのは、学長の記念スピーチでの漢字の読み間違えだ。最高学府のトップが中学生レベルの漢字を読み間違えるという珍事と、その後の謝罪で世間の耳目を集めた。批判や同情、謝罪への賞賛、これを機に読み間違えやすい漢字を勉強しようという前向きな声など、さまざまな反響が入り乱れた。

北京大学120周年記念イベントの様子(写真:Imaginechina/アフロ)

晴れ舞台での珍事

 北京大学といえば、清華大学と並ぶ中国の最高学府だ。特に理系の強い清華大学に対し、文系ではトップで、多くの著名な学者を輩出してきた。経済に強いとされている李克強首相の出身校でもある。創立から120年を迎える今年は祝賀イベントが盛大に催された。

 教育熱心な中国人にとって北京大学はもともと有名観光地の一つ。しかも記念グッズの販売や記念撮影スポットが設置されるとあって、先週、大学構内は人でごった返した。そんな中、4日に盛大に執り行われた記念式典で冒頭の珍事が起こったのだ。筆者は北京大学の同窓生のため、事前にイベントについての案内がメールで送られて来て、大学側の熱の入れようを感じていたし、盛況ぶりについても聞いていた。ただ、まさか母校がこういう形で全国的に話題に上ることになるとは思いもしなかった。

 林建華学長がスピーチで「鴻鵠(こうこく)の志」という言葉の直前まで読み進めたところで言い淀み、その後「鴻鵠」を「ホンフー」と読むべきところを「ホンハオ」と読み間違えたのだ。この言葉は『史記』に出てくるもので、大人物の志という意味だ。高校の漢文で習ったという方も多いのではないか。中国の場合、この言葉は中学校で習うため、最高学府のトップにあるまじき初歩的なミスとして話題になった。ちなみに文系の強い北京大学ではあるが、学長は化学が専門の理学博士だ。

 全国紙などがまず北京大学の記念式典について報じた際は、盛大に式典が執り行われたという通り一遍の内容を淡々と伝えただけだった。しかし、読み間違えの事実はネット上で瞬く間に広まった。北京大学の学長がこんなミスをするとはどういうことかという批判に加え、スピーチ原稿を自分で書いていないうえに、事前に確認していなかったのではないかと批判が噴出したのだ。

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