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2018年7月25日

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中西 享 (なかにし・とおる)

経済ジャーナリスト

1948年岡山県生まれ。72年共同通信社に入社。88年から91年までニューヨーク特派員、経済分野を取材し、編集委員を経て2010年に退社。現在は経済ジャーナリスト。著書は「ジャパンマネーの奔流―ニューヨーク・東京・ロンドンの24時間」(1987年、ダイヤモンド社)、「日本買い 外資は何を狙っているか」(2005年、PHP研究所)など。

 首都圏で値上がりが続いているマンション価格はいつまで上がり続けるのか。2020年の東京オリンピック後に暴落する恐れはないのか、不動産の専門家にズバリ見通しを聞いてみた。第1回は不動産価格の調査と情報提供をしている東京カンテイの井出武・上席主任研究員。

(y-studio/GettyImages)

10年分の潜在需要

 東京の人口が2020年から減少に向かい、30年になると世帯数も減ると予測されている。このため、20年の東京オリンピックが終わると首都圏のマンションは下落し、暴落するのではないかともささやかれている。

 「首都圏は新規購入と買い替えと合わせると307万人もの住宅購入需要がある。過去10年の首都圏の新設住宅着工戸数は年平均32万戸なので、その10年分近い潜在需要がある」

 と、井出氏は暴落説を否定する。さらに五輪後に建設ブームは終わるのではないかと言う見方に対しては、

 「いま首都圏は再開発だらけと言ってもいいくらいだ。特に都区部では品川、六本木、田町など、どれも30年ごろまで続く国家プロジェクトだ。五輪をまたいで続くもので、ホテルなどインバウンド向けの宿泊施設需要もあり、五輪後にオフィス、マンションを含めた建設ブームが終わるとは思えない」

 と、強気の見方を披露する。

 東京カンテイによると、都内の新築マンションの平均坪単価は2009年の263万2000円からじりじりと上昇、17年は362万1000円までになっている。不動産経済研究所の計算では、分譲マンション価格はこの4年間で3~4割も急騰、首都圏では17年の平均価格が5908万円(68.8平方メートル)、東京都区部では7089万円にまで上昇、バブル期の1990年に次ぐ高い水準になっている。

井出 武(いで・たけし)1964年生まれ。89年マンションの業界団体に入社、以降、不動産市場の調査・分析、団体活動に従事、2001年東京カンテイ入社。現在、市場調査部上席主任研究員。不動産マーケットの調査・研究、講演業務などを行う。

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