海野素央の Love Trumps Hate

2018年9月20日

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海野素央 (うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

トランプ解任のTシャツ(ワシントンの政治グッズ店 筆者撮影以下同)

 今回のテーマは「コノリーが見るトランプ」です。ワシントン滞在中、下院外交委員会に所属するジェリー・コノリー議員(民主党・バージニア州第11選挙区選出)に接触する機会に恵まれました。そこで本稿では、コノリー議員を対象にドナルド・トランプ米大統領の弾劾の可能性及び秋の中間選挙などに関してインタビューを行いましたので、同議員の声を紹介しましょう。さらに、第11選挙区の討論会におけるコノリー議員の議論の仕方を分析します。

ジェリー・コノリー下院議員(右)と筆者(ワシントン事務所)

Q.トランプ弾劾はありますか?

A. 今回の中間選挙で民主党が下院で多数派を奪還する可能性が高いです。しかし上院で民主党が多数派になるためには、トランプが2016年の大統領選挙で勝利した州の議席を守って、しかもそれに他州で上乗せをしなければなりません。民主党のベストシナリオは、上院で51議席獲得です。弾劾には上院で3分の2、つまり67票が必要です。民主党上院は中間選挙で67議席を到底獲得できません。トランプ弾劾はハードルが高いです。

Q. ということは、トランプ弾劾はあり得ないとみてよいですか?

A. 25%ぐらいはあります。すべて(ロバート)モラー特別検察官の最終報告書によります。仮にモラーがトランプは犯罪を犯していないし、トランプ陣営とロシア政府は共謀していないと結論を出せば、民主党はトランプを弾劾する判断の根拠を失います。しかし、モラーが最終報告書で逆の結論を出せば、民主党下院はトランプ弾劾に動きます。トランプがモラーを解任すれば、民主党下院は必ずトランプ弾劾に出ます。

Q. 秋の中間選挙で民主党が下院で多数派になれば、各委員会の議長が民主党議員に変わります。コノリー議員はどの委員会の議長になりますか?

A. 民主党が多数派になれば、私は下院の行政監視政府改革委員の議長になります。これまでは各委員会の議長が共和党議員でしたので、トランプ政権を追及する議題に関する公聴会を開催することに消極的でした。しかし、私が行政監視政府改革委員会の議長になれば、たとえばプエルトリコに3000人の死者を出したハリーケーン「マリア」に対するトランプ政権の対応について公聴会を開くことができます。加えて、トランプ政権の閣僚に関する倫理の問題や機密情報のアクセス権の見直しついても公聴会を開くことができます。

Q. 政府高官とされる人物が匿名で米ニューヨークタイムズ紙にトランプ大統領の「超道徳性」や同政権内の「抵抗勢力」について寄稿しました。この匿名著者の寄稿に関する感想を頂けますか?

A. これまでの政権で、政府高官が匿名で寄稿したケースはありませんでした。匿名の人物を守る必要がありますが、ニューヨークタイムズ紙のライバルであるワシントンポスト紙やハフィントンポストなどが、匿名の人物を見つけ出すでしょう。

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