WEDGE REPORT

2011年7月11日

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 松本龍復興担当大臣が辞任した。被災地の宮城県、岩手県の両知事を訪問した際に吐いた暴言の責任を取ってのことだ。菅政権の混迷ぶりにいっそうの拍車をかけた今回の辞任劇。松本氏はいったいどんな人物なのか、調べるうちに、地元・福岡で松本氏が所有する資産をめぐって興味深い事実が明らかになってきた。

資産は7億円以上

 昨年9月の菅内閣発足で、松本氏は環境大臣兼防災担当大臣に任命された。当時官房長官だった仙谷由人氏の強い引きで環境大臣就任にしたというのが永田町でのもっぱらの評判だ。すでに当選7回ながら、それまでは要職に就くこともなかった松本氏。環境大臣としての評価はどうだったのだろうか。環境省担当の記者によると、「環境大臣に就任してわずか1か月で名古屋で開かれた生物多様性条約国会議(COP10)の議長という大役を務めました。大臣になったばかりで期待度は高くなかったのですが、先進国とアフリカ各国との間の調整をうまくこなして評価を上げました。ざっくばらんで、意外と部下の意見によく耳を傾けると省内の評判は悪くはありませんでした。震災以後は防災大臣としての仕事にかかりっきりになってしまい、環境省のなかで存在感は薄かったですね」とのことだ。

 そんな松本氏も昨年、マスコミの注目を集めたことがあった。閣僚の資産公開で、資産総額が7億6074万円に上ることが明らかになったときだ。2位の鹿野道彦農水大臣に7億円以上の差をつけてのトップ。松本氏は自身の資産について「特段の感想はない。自らの資産を誠実に精査し直して公開した。」と素っ気のないコメントを出しているが、これだけの資産、いったいどのように形成されたものなのだろうか。

 2009年12月に衆議院に提出された資産等報告書からは、銀行やテレビ局などの株券を除くと、ほとんどの資産は地元・福岡市内に所有する土地だとわかる。その広さは親族とともに所有するものを含めて合計で4万平方メートルあまりに上る。

 「松本氏の資産のほとんどは、参議院初代副議長を務めた祖父の松本治一郎が築いたものを相続したのです。治一郎は『部落解放の父』と呼ばれ、部落解放同盟の初代委員長を務めました。堂々とした顎髭の風貌から今でも福岡では『おやじ』と呼んで慕う人が多くいます」と福岡市議のひとりは言う。その治一郎氏の経済活動についてよく知るのが、かつて「国会の爆弾男」と呼ばれた元衆議院議員の楢崎弥之助氏だ。議員となる前は治一郎氏の秘書を務めていた。現在は福岡市内で引退生活を送る楢崎元議員のもとを訪ねると、こう話してくれた。

「『電力の鬼』とも呼ばれた大事業家の松永安左エ門と知己を得たことがきっかけで、福岡県内の鉄道関連工事を治一郎先生が興した建設会社が次々と請け負うようになったのです。そこで得た利益で土地の取得を進めた結果、あれだけの資産になったのです」。

福岡空港に土地を持つ

 松本氏の資産等報告書に記載されている土地をよく調べてみると、福岡空港の国際ターミナル付近の土地が含まれているのに気づく。実弟と共同名義で所有するその土地は、あわせて3300平方メートル。福岡空港といえば、JR博多駅から地下鉄でわずか5分でアクセスできることで知られる。この便利さもあって、年間の利用客は国内第4位のおよそ1700万人にも上る。しかし、驚いたことにこの空港、年間67億円(09年度)のもの赤字を出しているのだ。国が管理する26空港のなかで最悪の赤字額だ。

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