日本人秘書が明かす李登輝元総統の知られざる素顔

2018年9月28日

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早川友久 (はやかわ・ともひさ)

李登輝 元台湾総統 秘書

1977年栃木県足利市生まれで現在、台湾台北市在住。早稲田大学人間科学部卒業。大学卒業後は、金美齢事務所の秘書として活動。その後、台湾大学法律系(法学部)へ留学。台湾大学在学中に3度の李登輝訪日団スタッフを務めるなどして、メディア対応や撮影スタッフとして、李登輝チームの一員として活動。2012年より李登輝より指名を受け、李登輝総統事務所の秘書として働く。

台湾の元総統・李登輝さんが、今でも日本の若者と積極的に交流しているワケとは――? 唯一の日本人秘書である早川友久さんが、李登輝さんの言葉の真意を読み解きながら、その素顔を明かしていきます。(⇒この連載のバックナンバーを見る

日本から訪れた若者と交流する李登輝元総統(筆者提供)

 李登輝のもとを訪れたいと希望する日本人は多い。95歳となり、体力的に無理がきかなくなってきた最近こそ、受ける来客数はセーブしているが、相変わらず日本からの来客は多く、毎週のようにアレンジされているときもある。

 そばにいる私から見ると、はっきり言って李登輝は年寄りらしくない。アメリカ留学の経験もあるから、ハンバーガーも食べるし、暑い日などは来客が終わると「コーラが飲みたい」などと言ったりもする。常にNHKニュースを見ているし、日本から送られてくる月刊誌にも目を通すから、最近日本で流行っているものも良く知っている。何か思い出せないことがあると「ちょっとそのモバイル(スマートフォンのこと)で調べてくれんか」と言ったり、来客に「私のフェイスブックがあるよ。今度見てごらん」などと言って驚かせたりする。

 とはいえ、李登輝はもともと農業経済学という、数字を扱う学者だったわけで、米国留学時代には統計学の一環でコンピューターにも触れているから、年配者だからコンピューターには疎いだろうと、思い込むのは早合点だ。時にはタブレットを手にして「(指を)こうやって下げていけばいいんだな」などと自分で写真を見たりしているのを見ると、新しい技術やモノに対する「忌避感」よりも「好奇心」や「関心」のほうが強いことがよく分かる。そうした強い「好奇心」と、日台関係の利益になることが何か出来ないかという思いが、日台のIoT同盟を呼びかけたり、台湾和牛の研究推進の原動力になっている。

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