WEDGE REPORT

2018年12月30日

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 巨人の巨大補強がとにかく凄まじい。今オフ、あちこちから選手を獲得しまくってストーブリーグを席巻している。あくまでもメディアで報じられるのは「推定」なので断言はできないが、補強総額は60億円を超えているとの見解まであるほど。ここ数年、まるで勢いも元気もなかったジャイアンツだけにG党としては「来季こそV間違いなし」と期待に胸を膨らませていることだろう。

(larryrains/Gettyimages)

 その並み居る新戦力の中で筆頭は何と言っても広島から国内FA権を行使した丸佳浩外野手だ。2年連続でセ・リーグMVPに輝くなどチームを球団史上初となる3連覇へと導いた文句なしの立役者。ノドから手が出るほどに欲しかった左の大砲はチームにとって補強ポイントであり、これ以上ない選手がそのピースとして加わることになった。そして近年はまるで歯が立たずに辛酸を舐めさせられ続けてきたカープの〝心臓部〟とも言える主軸の選手を強奪し、天敵の戦力を大幅にダウンさせた点も大きい。全権監督として補強を含めた編成面でも水面下で陣頭指揮を執っていた原辰徳監督はさぞかしご満悦のはずだ。

 しかし過度な期待ばかりをかけてしまってホントに大丈夫なのか。「やるぞ」「すごいぞ」ばかりのメディア批評に辟易している人もきっと多いだろう。だから実際にささやかれている点もまじえ、あえて大いにケチをつけてみたい。

 うがった見方をあえてすれば、丸はここまで広島一筋でプロ生活を送ってきた選手だ。ここ数年のカープブームによって行く先々で大声援を受けながらスポットライトを浴びせられるようになったものの、その注目度はジャイアンツと比較すれば雲泥の差である。しかも広島の地元メディアは出入り禁止になることを恐れるが余り、松田元オーナーの顔色を伺いながらほとんど批判的なことを報じない「オール与党」。もちろんカープは12球団の中でも厳しい練習を積むことで有名だが、野球のプレーをする上ではミスをしたり、少々のスランプが続いたりしてもメディアやファンが比較的優しかったので非常に戦いやすい球団だったはずだ。しかもカープは巨人のように地元だけでなく全国レベルのメディアや野球ファン以外の一般大衆からも好奇の目にさらされる奇特な環境下ではない。

 それでも愛着のあるはずだったカープを離れ、ジャイアンツのユニホームを着ることを選んだのは何だかんだ言ってやはり「カネ」だったのかもしれない。ところが、その推定5年総額25億円のスーパー破格条件も逆に足かせとなる可能性も十分ある。それこそ開幕まで丸はお客様扱いだが、いざフタを開けて打てなければメディアは掌を返すように猛バッシングを開始するだろう。いわば〝巨人の洗礼〟だ。

 過去例を見ない前代未聞の巨額条件を受け入れて移籍して来たにもかかわらず、結果を出せないとなれば「給料泥棒」やボクシングのフロイド・メイウェザーばりの「マネー」といった汚名が着せられることになるかもしれない。そのような逆風に丸は果たして耐えられるのか。ひとつ言い切れるのは、これまで経験していない凄まじい重圧が彼を待っているということだ。広島の有力OBからは丸の〝チキンぶり〟を懸念する声も聞こえてくる。

 「これまでは堂々と素顔をさらしながら街中を闊歩していたのに巨人移籍を決めてから地元の広島ではマスクで顔を隠しながら買い物するなどコソコソした姿が方々で目撃されていた。それに西武から楽天へFA移籍した浅村のようにファン感謝デーでキッチリと古巣ファンに別れの挨拶をするならまだしも、丸は返事を保留したままファン感に出席し、その後に巨人入りを表明している。あれには正直がっかりさせられた。こうした流れをあらためて振り返ってみると、まるで逃げているようで彼の性格の小ささがうかがい知れると言わざるを得ない。もっと堂々としていないとジャイアンツのプレッシャーに飲み込まれてしまう。そう感じているOBは私1人ではないよ」

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