世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年1月11日

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 マティス米国防長官は、トランプ大統領によるシリアからの米軍撤退の発表を受け、12月20日に辞任を表明、世界中に衝撃を与えた。辞任表明に際し、マティス長官はトランプ大統領宛てに、同盟を大事にするよう諫言する書簡を発表した。書簡の主要点は次の通り。

(Tim Brown/joel-t/iStock)

 私が常に抱いてきた核心的信念の一つは、我々の国家としての強さは、我々の同盟およびパートナーシップのユニークかつ包括的なシステムと分かち難く結びついているということだ。米国は自由世界において不可欠な国家であるが、我々は、強い同盟を維持し同盟国に維持を示さなければ、我々の国益を維持できず効果的に役割を果たせない。あなた(注:トランプ)と同様、私も当初より、米国は世界の警察官であるべきではない、と言ってきた。我々は、世界のためにではなく、同盟に対する効果的な指導力の発揮を含め、共同防衛を提供するために国力の全てを用いるべきである。NATOの29の加盟国は9.11を受けて我々とともに戦うことで同盟の強さを示した。ISIS打倒の有志連合74か国は、さらなる証である。

 戦略的利害関係が我々との間で緊張を増している国々に対する我々のアプローチは、確固として明確なものでなければならない。例えば、中ロは、隣国、米国、我々の同盟国を犠牲にして、自らの国益を増進すべく、他国の経済・外交・安全保障についての決定への拒否権を強め、彼らの権威主義的モデルに合致した世界を作ろうとしている。共同防衛を提供するために、我々が米国のパワーのあらゆる手段を用いるべき理由はそこにある。

 私は、同盟国を敬意をもって扱うとともに有害なアクターや戦略的競争相手を明確に警戒するという考えを40年以上維持してきた。我々は、国際秩序を維持するために可能なあらゆることをしなければならない。我々の安全保障、繁栄、価値にとり最も役に立つからだ。この取り組みにおいて同盟国と団結することで、我々は強固となる。

 あなたには自らの考えにより合致する国防長官を持つ権利があるので、私は辞任することが正しいと信じる。私の任期の最終日を2月28日とする。後任の指名・承認手続きに十分な時間を確保するため、また、議会の公聴会や2月に開催されるNATO防衛相会議で国防総省の利益を十分に説明し守るためである。

出典:‘Letter from Secretary James N. Mattis’,米国防総省HP、12月20日付)

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