From LA

2019年1月8日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

LA発、ラスベガス行きのフリックスバス(筆者撮影)

 欧州で格安のバスサービスを提供するフリックスバスが、昨年5月からカリフォルニアを中心にサービスを開始した。ウーバーが中長距離をカバーするワンストップ交通アプリの一環としてフリックスと提携するなどと話題になった。現在はロサンゼルスーサンフランシスコ間のほかラスベガス、アリゾナ州フェニックス、ツーソンなどを結ぶサービスを提供している。

 ちょうどCESのためロサンゼルスからラスベガスに行く必要があったため、このフリックスバスを試してみることにした。まず予約はオンラインから。フリックスのアプリをスマホにダウンロードしてそこから予約することもできる。ホームページでは「ロサンゼルスーラスベガス間が最安値で2ドル」ととんでもない広告がされていたが、1月6日の予約では料金は9ドル99セントだった。それでも格安だ。

 ちなみに同じような格安バスを提供しているメガバスの同日の料金は26ドル、少しラグジュアリーなサービスであるラックスバスは73ドルだった。およそ300キロの距離を走るのだから、9ドル99では商売が成り立つのか? と疑問に思うほどの価格だ。

 ただし9ドル99というのは最低料金で、実際には席を指定するのに2ドルほど、またサービス料として3ドルが加算されるので、合計の支払いは往復で27ドルほど。キャンセルや時間変更を行うには3ドルの手数料がかかる。またオンライン上で「環境オフセットに賛同するか」という項目があり、バスによる排気ガスをオフセットするための乗客の負担として2ドルほどを加算することもできるが、これは任意だ。

 いよいよ当日、集合場所はロサンゼルスダウンタウンの鉄道駅であるユニオンステーションのすぐ横手。日本のバスターミナルのような施設を予想していたが、実際には何もない駐車場で係員もいなければ看板もない。大勢の人々が寒い中「ここでいいんだよね?」とお互い確認し合いながら集まっていた。とにかくトイレもなければ近くにコンビニもないような場所である。夜の出発なら危険だと感じたかもしれない。

 隣に立っていた女の子と話すと、彼女はサンフランシスコ行きのバスを待っていたが、30分遅れになる、と当日になって携帯メールで連絡が来たという。ラスベガス行きが朝の7時半、サンフランシスコは7時の予定が同時刻出発になっていた。ちなみにサンフランシスコ行きの料金は16ドルだったという。

 しかし7時15分になってもバスが来る気配はない。出発15分前には必ず集合、とチケット(といってもオンラインのQRコードだが)には書かれていたのだが。するとサンフランシスコ行きの彼女が「オーノー! また30分遅れて8時出発だって」と言う。私の携帯には連絡は来ていない。不安に思いながら待っていると、7時半を少し過ぎた頃バスが登場。しかし係員のような人はおらず、ドライバーが降りてきて「ラスベガス!」と呼びかけ、1人1人のチケットをチェックし始めた。荷物はバスの横の扉を開けてくれたものの、各自で積み込む。

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