世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2019年1月16日

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 12月13日、トランプ政権は対アフリカ戦略を発表、それに先立ち、ボルトン安全保障担当補佐官はヘリテージ財団(保守派のシンクタンク)で、この新戦略について講演を行い、中ロのアフリカにおける行動を厳しく非難した。講演の主要点は次の通り。

(GlobalP/Vladone/squashedbox/AndreyPopov/iStock)

 新たなアフリカ戦略においては、次の3つを米国のアフリカ大陸における中核的利益とする。

 第一に、米国とアフリカ諸国との貿易・商業的関係を強化し、それにより双方が利益を得る。我々は、アフリカにおける経済的パートナーが繁栄し、自らの運命をコントロールできることを望む。米国は経済取引において、相互性のみを求め、服従を求めない。

 第二に、過激派イスラム主義テロと暴力的紛争がもたらす脅威に対抗する。ISIS、アルカイダ、および彼らの分派はいずれもアフリカ大陸で活動、動員し、米国市民への攻撃を計画している。米国の理にかなったアフリカ戦略は、この深刻な脅威に包括的に対処するものでなければならない。

 第三に、我々は、支援に使われる米国の納税者のカネが効率的かつ効果的に使われるようにする。米国はもはや、アフリカ全土に優先順位をつけずに無差別的に援助を提供するようなことはない。非生産的で、不成功で、説明責任が果たされていない国連平和維持活動については、もはや支援しない。

 新たなアフリカ戦略の下では、我々は米国の資金を、カギとなる国々、とりわけ戦略的対象に的を絞る。米国の対アフリカ支援は、米国の国益を増進し、アフリカの国々の自立への動きを助けることになろう。

 競争相手たる大国、すなわち中ロは、アフリカにおける経済的・政治的影響力を急速に拡大している。

 2016年から2017年における中国の対アフリカ対外投資は、64億ドルに達した。中国は、賄賂、不透明な合意、債務の戦略的利用により、アフリカを意のままにしようとしている。中国の投資ベンチャーは腐敗にまみれ、米国の開発計画と同じ環境・倫理的基準を満たしていない。こうした略奪的な行動は、一帯一路を含む中国のより広範な戦略的イニシアティヴの一部をなしている。アフリカにおいて、我々は既に、政治的・経済的・軍事的パワーの拡大を目指す中国の努力を目の当たりにしている。

 例えば、ザンビアは巨額の対中債務のせいで中国に支配されている。中国は2017年にジブチに軍事基地を設置し、港湾支配を強めている。ドラレ港(注:紅海に面する戦略的に重要なコンテナターミナル)の支配権が中国側の手に渡るようなことがあれば、「アフリカの角」におけるパワーバランスは中国に優位に傾く。

 ロシアも、腐敗した経済的取引によりアフリカにおける影響力を高めている。ロシアはアフリカ中で、法の支配、透明性の高い統治にほとんど考慮を払うことなく、政治的・経済的関係を進展させている。ロシアは国連の場での票と引き換えに武器、エネルギーを売り続け、平和と安全を損ね、アフリカの人々の利益に反している。ロシアは、自らの利益のためにアフリカから天然資源を持ち出し続けている。抽出している。

 要するに、中ロの略奪的行動は、アフリカの経済的成長を妨げ、アフリカの国々の財政的自立を脅かし、米国の投資の機会を阻害し、米軍の軍事的行動を妨害し、米国の安全保障上の利益に重大な脅威を与えている。

参考:‘Remarks by National Security Advisor Ambassador John R. Bolton on the The Trump Administration’s New Africa Strategy’(White House, December 13, 2018)
https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/remarks-national-security-advisor-ambassador-john-r-bolton-trump-administrations-new-africa-strategy/

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