今月の旅指南

2019年2月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 京都の栂尾(とがのお)の地に高山寺(こうさんじ)を開いた鎌倉時代の高僧、明恵(みょうえ)上人。華厳宗中興の祖とされ、実践的な修行に重きを置いた明恵は、自分の見た夢を記した「夢記(ゆめのき)」を残したことでも知られる。この春、〝明恵の夢〟をテーマにした、初の試みとなる展覧会が大阪の中之島香雪美術館で開かれる。

国宝 《鳥獣戯画 甲巻》 平安時代(12世紀) 高山寺蔵 *展示期間 前期(3/21~4/14)

 明恵の「夢記」は、青年期の19歳から晩年の58歳までの長きにわたって続き、2500行、470点余りが今に伝わる。これらには眠っているときに見た夢だけではなく、修行中の夢想や幻なども含まれる。本展では「夢記」を中心に、高山寺の寺宝などを通して、明恵の夢の世界をたどっていく。

 会場には、山中で夢想にふける姿を描いた「明恵上人像(樹上坐禅像)」や、幼くして母を亡くした明恵が心のよりどころとした「仏眼仏母像(ぶつげんぶつもぞう)」(いずれも国宝)をはじめ、明恵の夢にしばしば現れたという犬や鹿のイメージを象徴する「子犬」と「神鹿(しんろく)」の彫像(いずれも重文)などが並ぶ。

 あわせて、高山寺に伝来する「鳥獣戯画」(国宝)全4巻も公開される。擬人化されたウサギやカエルの絵で有名な「甲巻」や、明恵の夢にも登場した麒麟(きりん)などが描かれた「乙巻」といった、夢の世界に通じる作品を同時に鑑賞できるのも楽しみだ。

特別展 「明恵の夢と高山寺」
 <開催日>2019年3月21日~5月6日 *会期中、展示替えあり
 <開催場所>大阪市北区・中之島香雪美術館(Osaka Metro御堂筋線淀屋橋駅下車)
   <問>☎06-6210-3766
   URL:http://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/
 URL:http://www.kosetsu-museum.or.jp/nakanoshima/exhibition/2019_3-21/

*情報は2019年1月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2019年3月号より

 

 

 

 

 

 

 

 

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