2024年11月22日(金)

<短期連載>ペット業界の舞台裏

2011年12月24日

年末は第二のかき入れ時

 今年もあとわずか、巷では恒例のクリスマスムードが町を賑わす時期となりました。ペット業界もこの時期は忙しくなります。ペット同伴のパーティー用におしゃれなカットをする仔や衣装を新調する仔。年末のペットホテルの予約。そしてプレゼント用のグッズや子犬・子猫の予約など、春先に次ぐかき入れ時となります。

 しかし反面、夏休み前と冬休み後は遺棄される子犬・子猫の数が増えるという話を、いくつかの保護施設、動物愛護センターなどで聞きました。買ったは良いが育てきれなくなった飼い主や、思っていたより世話が大変だったと返品を求める飼い主が必ず現れるのもこの時期です。長期の旅行に行くからと愛護センターに持ち込む家族もいるそうです。考えなしに気軽に購入した結果です。

 これ以外にも私の経験では、購入半年後に「はやりが終わったから他の犬と交換してくれ」や「飽きたから返品したい」など、悪びれた様子もなくお店に相談に来る方がいました。理解が出来ません。

 残念ながら気軽に購入できるようになると、このような常識外れの飼い主も増えてくるのが現状です。また、ペットも一緒に入れるお店や施設なども増えていますが、マナーの悪さにその門を閉ざしてしまうケースも増えています。自治体によっても、公共の施設である公園に犬を連れての立ち入りを禁じるところも増えています。自分のことしか考えない飼い主のモラルのない行動により、全ての飼い主が迷惑します。

イベント会場で見た驚きの光景

多くの人で賑わうペット博(写真:筆者提供)

 最近ではペットに関するイベントも多く開催され、参加者もペットを連れて入場できるものがほとんどです。私も参加する機会が多いのですが、このような会場で飼い主さんたちの行動を観察していると面白いものです。

 意識が高いと感じられる飼い主さんは、商品を選ぶ時もイベントを見学する時も見事に自分の犬の行動を把握し、コントロールしながら参加されています。当然他の犬とのトラブルも未然に回避しています。

 一方で、リードを持ったまま大勢で会話に夢中になっている方たち、当然連れている犬たちも足元にいるのですが行動は把握されておらず、通行者の犬にほえかかったり、他の参加者の持ち物にマーキングしたりと、見ていてハラハラする飼い主さんも目につきます。

 なかには粗相しても知らずに踏みつけてしまい、立ち去った後には粗相したものがそのまま、しかも靴につけた汚物を場内の床に広げてしまう人もいました。声をかけても自分の靴は拭くものの、「あらうちの仔? 掃除する人がいるからいいでしょ」。そんな反応です。

 通路の真ん中や出店者の店先でペットカートを並べて会話に夢中になっているグループ。ロングリードを伸ばして他の犬にけしかけ、注目を引こうとするかまってちゃん飼い主など。自分の育てているペットの習性や性格を把握していない方が多いこと。公共の場所ということを理解していない方。本当にバラエティに富んだ飼い主の実態を観察できネタには困りません。そして不機嫌になってしまいます。


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