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2012年4月17日

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下條正男 (しもじょう・まさお)

拓殖大学教授

國學院大學大学院文学研究科博士後期課程修了。1983年、韓国の三星グループ会長秘書室勤務。1994年、市立仁川大学客員教授。1999年から拓殖大学国際開発研究所教授。著書に『日韓歴史克服への道』(展転社)や『竹島は日韓どちらのものか』(文藝春秋)などがある。

 5年に1度開かれる国際水路機関(IHO)*1の総会が、目前に迫っている。総会は4月23日から27日までモナコで行われ、海図作成の指針となる『大洋と海の境界』の改定について話し合われる。竹島問題などに詳しい拓殖大学の下條正男教授は、「今回の総会で、『日本海単独表記』が『日本海/東海併記』になる可能性がある」と警鐘を鳴らす。

 しかし昨年8月には、アメリカとイギリスが「日本海単独表記」の支持を声明し、日本のメディアもこれを報じている。なぜ、それがいま「併記」の懸念を生んでいるのか。また、そもそも韓国が「東海」の呼称にこだわる理由とは何か。下條教授に改めて聞いた。

*1:国際水路機関(IHO)は、水路図誌(海図,灯台表等)の最大限の統一、水路測量の手法や水路業務の技術開発等を促進するための技術的、科学的な活動を行う国際機関。1921年設立。加盟国は80か国。本部はモナコに所在。


──韓国は、なぜ「併記」にこだわっているのでしょうか。

下條正男教授(以下、下條教授) : 韓国はひとまず「併記」を狙っていますが、これに成功したら次は「東海単独表記」を狙ってくるはずです。なぜなら、韓国は竹島を自国の領土と主張しており、「独島(竹島)が日本海の中にあると、日本領海内にあるようで適切でない」と考えているからで、究極的には国際水路機関を舞台に、竹島問題を封印することが目的となっています。

 韓国が「日本海」を「東海」に改めるよう主張し始めたのは1992年のことです。しかし、その主張には歴史的根拠がありません。日本は歴史的根拠を突きつけることで、韓国の主張をはね返すべきです。(※詳細はこちら⇒『日本海が地図から消える? 韓国のでたらめ領土工作』 P3.根拠薄弱な韓国の主張

──そもそも、海の名称が「併記」されるようなことはあるのでしょうか?

下條教授 : 海洋の呼称が併記されるのは、IHOがその海域を紛争地帯であると認めた場合に限られます。昨年の8月に、アメリカとイギリスが「日本海単独表記」を支持する公式意見書をIHOに提出しましたが、これは両国の地名委員会が、海の呼称について原則的に単独表記しか認めていないことが大きな理由です。

バージニア州でわずか一票差

──韓国は、どのような方法で国際水路機関(以下、IHO)に「東海併記」を採用させようとしているのでしょうか。

下條教授 : アメリカとイギリスが「日本海単独表記」の支持を表明したのを受けて、シカゴの韓国人会を中心に「独島守護国際連帯」という団体が設立されました。アメリカ国内には韓国系住民が200万人もいると言われていますが、シカゴ以外の各地の韓国人会も加わって、「東海併記」を認めさせるよう、各州の議会に圧力をかけ始めたのです。

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