今月の旅指南

2012年6月29日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 願い事を書いた短冊を笹の葉に吊るす。今なお残る年中行事、七夕の風習の起源をたどるとともに、七夕をテーマにした美術作品を展示した、この時節らしい展覧会が静岡市美術館で開かれる。

橋本花乃 「七夕」(二曲一双のうち左隻)
大阪市立近代美術館建設準備室所蔵

 江戸後期に庶民に広まった七夕の情景を描いた数々の錦絵や掛軸、屏風などを展示。天の川をたらいの水に映し、その上で針に糸を通して裁縫の上達を願う構図の美人画など、七夕にまつわる古くからの習わしを描いた絵画も興味深い。

 七夕伝説といえば、織姫と彦星の話がよく知られるが、その起源は古代中国の魔除けの風習「乞巧奠(きっこうでん)」にあるという。会場では、平安時代に日本に伝わった乞巧奠の形式を今も守り続けている京都・冷泉(れいぜい)家の祭壇「星の座」を再現、儀礼としての七夕についても紹介する。

 また、日本固有の七夕伝説「天稚彦(あまわかひこ)物語絵巻」や、静岡ゆかりの羽衣伝説を基にした作品など、 “星”や“天”に人々が抱いたイメージにも注目。さまざまな角度から、星空に思いを馳せるのも、七夕ならではの楽しみだ。


七夕の美術─日本近世・近代の美術工芸にみる
<開催日>2012年6月23日~8月19日
<会場>静岡市葵区・静岡市美術館(東海道新幹線静岡駅下車)
<問>054(273)1515
http://www.shizubi.jp/

 

◆ 「ひととき」2012年7月号より

 

      

 





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