地域が主役の「在宅ケア時代」

2012年7月10日

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秋山正子 (あきやま・まさこ)

(株)ケアーズ白十字訪問看護ステーション 代表取締役・統括所長

秋田県生まれ。1973年聖路加看護大学卒業。第2次ベビーブームの真っ只中に産婦人科病棟にて臨床経験後、大阪・京都にて看護教育に従事。1990年実姉の末期がんでの看取りを経験後、1992年より東京・新宿区で訪問看護に携わる。2001年にケアーズを設立。白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション統括所長として現場を訪問する傍ら、新宿区の介護サービス事業者協議会や新宿区地域看護業務連絡会の委員を務める。また、看護学部の非常勤講師として後進の育成にも携わっている。30年後の医療の姿を考える会会長、NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長。

 癌の治療が、入院からほとんどが外来を中心とした通院でのフォローとなったのは、癌になっても治療を受けながら職場復帰もできるなど、ある意味前向きな点も多くあります。ことに若い年代の方にとって、癌と診断されても、けっして悲観することなく、果敢に治療にまい進できるといった状況にもなっています。

 しかしながら、「がん」という言葉の持つ何とも言えない悲壮感は、まだまだぬぐいきれていません。実際には見つかった時すでにかなり進んだ状態で、その後の時間も限られる事態にも直面します。

癌について相談できる場所

 癌患者の多くは、医師に病名を告げられた時には頭が真っ白になり、そのあとの説明はほとんど聞こえていない状況で、次なる選択を迫られるといった事態に陥ります。

 そんな中で、インターネットをはじめ、たくさんの情報は手に入れようと思えばすぐにでも手に入る状況となりました。WEBサイトを利用できる人はよいのでしょうが、そうはいかない人も大勢います。また、そういった情報は、有り余るほど手に入れたとしても、「どれが自分の状況にぴったり合っているのか」と判断に迷い、かえって不安を募らせる結果を招くこともあるのです。

イギリスのエジンバラにある、マギーズセンター第1号 (後述)

 こういった事態は世界共通で起こっています。これに対して、癌の病態のどの時期でも、いつでも相談に乗り、ゆっくり自分で考え判断ができる力を取り戻せるようにサポートすることを目的につくられた、イギリスの「マギーズキャンサーケアリングセンター」という機関があります。この話を2008年11月に聞いたときに、「これは今すぐ日本にも必要だ」と思ったものです。

「もっと早く在宅という道を知りたかった」

 私が在宅ケアに関わるきっかけは、2つ上の姉に40歳の時に転移性の肝臓癌が見つかったことからでした。癌があまりに一気に広がった状態だったために、余命1カ月と宣告されました。残された時間が少ないのであれば、子供たちとの時間を過ごせるよう家に連れて帰れないかと思い、実践しました。しかし、当時は在宅ケア、しかも末期癌の在宅ホスピスなど、聞いたこともない状態で何とかあちこちの情報を集め、非常に苦労したものです。 (この内容は、拙著『在宅ケアの不思議な力』<医学書院>の第1章に詳述しています)

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