患者にとって必要な
「医療と介護の連携」とは?

患者側の力が病院のあり方を変える


秋山正子 (あきやま・まさこ)  (株)ケアーズ白十字訪問看護ステーション 代表取締役・統括所長

秋田県生まれ。1973年聖路加看護大学卒業。第2次ベビーブームの真っ只中に産婦人科病棟にて臨床経験後、大阪・京都にて看護教育に従事。1990年実姉の末期がんでの看取りを経験後、1992年より東京・新宿区で訪問看護に携わる。2001年にケアーズを設立。白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション統括所長として現場を訪問する傍ら、新宿区の介護サービス事業者協議会や新宿区地域看護業務連絡会の委員を務める。また、看護学部の非常勤講師として後進の育成にも携わっている。30年後の医療の姿を考える会会長、NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長。

地域が主役の「在宅ケア時代」

患者にとって本当に必要な「医療連携」とは何か――。20年にわたり訪問看護の実践を続けている著者は、老いても病んでも、住み慣れた家で暮らし続けることの大切さ伝えてきた。現在盛んに言われている医療と介護の一体的提供の中で、橋渡し役となる訪問看護。東京都新宿区戸山の団地の一角にある『暮らしの保健室』での経験などを通じて、現在の「連携」に抜け落ちている点を現場から提言していく。

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1992年から20年にわたって、都会の中で、在宅ケアに必要な「訪問看護」を実践してきました。

 そして、老いても、病んでも、認知症になっても、それがたとえ死に至る状態であっても、患者が「住み慣れた家」で最期まで暮らし続けられるように、「白十字訪問看護ステーション」のスタッフらとともに、さまざまな活動を続けてきました。

「エイジング・イン・プレイス」

 たくさんの方々をお世話させていただきながら、いま盛んに求められている「医療と介護の一体的提供」の中で、その橋渡し役になるには、これまでの「訪問看護」の実践の経験が生かされると思っています。

 また、本当の意味での「地域包括ケア」とは、決して、高齢者のみにとどまらない、すべての人が、エイジング・イン・プレイスといった、地域の中で「生まれ」、「育ち」、そして「老いて」、「穏やかに亡くなる」ところまでを支える、医療と介護の一体的提供でなければ本物ではないと思っている次第です。 

医療・介護保険同時改定の年に

 2012年度は医療保険・介護保険の同時改定の年でした。

 ここで注目すべき点は、在宅ケア実現に不可欠な「医療と介護の連携」を目指し、随時訪問も含めた、切れ目のない「24時間地域巡回型訪問介護サービス」の提案がなされたことでした。加えて、在宅ケアの限界点を挙げる提案もなされました。

 日常生活圏域(30分で駆けつけられる圏域)の中で介護と医療、予防、生活支援、そして住まいも含めた5つの視点を持つ「地域包括ケア」が目指すところです。

 地域包括ケアを実現するには、次の5つの視点での取り組みが「包括的(利用者のニーズに応じたそれぞれの適切な組み合わせによるサービス提供)」「継続的(入院、退院、在宅復帰を通じて切れ目のないサービス提供)」に行なわれることが必須であるとされます。

(1) 医療との連携強化
24時間対応の在宅医療、訪問看護やリハビリテーションの充実強化

(2) 介護サービスの充実強化
特別養護老人ホームなどの介護拠点の緊急整備 ・24時間対応の在宅サービスの強化

(3) 予防の増進
できる限り要介護状態にならないための予防の取り組みや自立支援の介護の推進

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「地域が主役の「在宅ケア時代」」

著者

秋山正子(あきやま・まさこ)

(株)ケアーズ白十字訪問看護ステーション 代表取締役・統括所長

秋田県生まれ。1973年聖路加看護大学卒業。第2次ベビーブームの真っ只中に産婦人科病棟にて臨床経験後、大阪・京都にて看護教育に従事。1990年実姉の末期がんでの看取りを経験後、1992年より東京・新宿区で訪問看護に携わる。2001年にケアーズを設立。白十字訪問看護ステーション・白十字ヘルパーステーション統括所長として現場を訪問する傍ら、新宿区の介護サービス事業者協議会や新宿区地域看護業務連絡会の委員を務める。また、看護学部の非常勤講師として後進の育成にも携わっている。30年後の医療の姿を考える会会長、NPO法人白十字在宅ボランティアの会理事長。

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