世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年8月24日

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 米外交評議会のカーランツィック研究員が、7月17日付の同評議会のウェブサイトで、ASEANの中にも、ASEANのコンセンサス(全会一致)方式にはうんざりしている国もあり、これでは経済統合も進まず、安全保障の面でも中国に対抗できるほど強くはなれないであろうし、米国がASEANをパートナーとするインセンティヴもなくなる、と指摘しています。

 すなわち、最近のプノンペンの会議では、南シナ海に関する声明を出すこともできなかった。それは、おそらく、最近とみに中国との接近の度を強めているカンボジアとラオスが反対したからだろう。

 今まで人権問題について強い表現を入れられなかったのもミャンマーなどの反対があったからだろう。シンガポールなどは、経済統合を進めたいが、それもうまくいかず、ASEANはEUのように豊かな国と貧しい国との二重性をもつようになっている。

 このコンセンサス方式のために、ASEANは、地域の安全保障問題を扱う能力の低さを露呈し、米国などにASEANと協力するインセンティヴを失わせている、と論じています。

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 アメリカがアジア復帰を宣言し、2010年以来それまでアメリカが見向きもしなかったASEANの会議にクリントン国務長官が出席するようになってから、アメリカのASEANへの期待は増大しています。しかし、ASEANは、今でもいわゆるASEAN way(ASEANのやり方、ペース)を守っており、功を急げば必ず挫折することは目に見えています。

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