WEDGE REPORT

2012年8月21日

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 ロシア太平洋艦隊の司令部や停泊する軍艦を見下ろすことが出来るザラトイログ(金閣)湾そばの高台に上ると、眼下に巨大な斜長橋・「金角湾横断橋」が迫ってくる。湾をまたぐ橋は全長1900メートル。総工費は1000億円に上るという。

ほぼ完成したウラジオストクのザラトイログ湾横断橋。8月11日に開通したばかり。

 建設工事を請け負ったのは、地元のロシア企業。工期が4年足らずと短く、この企業がこれまでに大規模な橋梁建設を手がけたことがなかったため、市民のあいだでも9月8日からのAPEC(アジア太平洋諸国協力会議)開催までに完成が間に合うか危ぶまれていたが、突貫工事で8月11日に開通した。

 首脳会議の会場となるのは、ウラジオストクの沖に浮かぶルースキー島だ。会場の建設工事を請け負うロシアの大手建設会社の特別許可を得て各国首脳より先に現地に向かうことができた。

 島に渡るにはかつては連絡船を使うより他なかったが、APEC開催にあわせて島と市街地を結ぶ巨大な連絡橋・「ルースキー島連絡橋」が建設された。こちらも斜張橋だが、金角湾横断橋よりさらに長く、全長は3100メートル。斜張橋としては世界最長だという。橋桁を支える塔は320メートルの高さがあり、塔から張られたワイヤーはロシアの国旗と同じ白・青・赤に塗装が施され、外国からの賓客を迎えるにはこれ以上ない舞台装置だ。

APEC首脳会議のメイン会場となる建物

 ルースキー島ではおよそ65万平方メートルの敷地にメインの会議場やホールに各国首脳らが宿泊する施設、庭園などの整備が進められ、すでにほぼ完了していた。これらの施設はAPEC終了後、ウラジオストク周辺の4つの大学を統合して新設された極東連邦大学のキャンパスになるという。

 現場には労働力不足をまかなうために集められた外国人労働者も多く、中国や中央アジアのウズベキスタンやキルギス、さらには北朝鮮からの出稼ぎ労働者までいた。

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