チャイナ・ウォッチャーの視点

2012年8月24日

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 鳴り物入りで宣伝されてきた中国の高度成長は現在、その終焉を迎えて、経済の全面的衰退がすでに始まっている。そのことは、8月に入ってからの中国国内新聞の関連記事や政府関係の公表数字を見ただけでも十分に分かる。

温州市製造業の6割が操業停止

 たとえば国内の各メディアが8月6日に伝えたところによると、中国の輸出向け製造業の一大生産基地である浙江省の温州市では現在、約4000社ある温州の民間製造業の60%が操業を停止しており、すでに倒産したか、倒産寸前の状態に追い込まれているという。欧州の債務危機が中国の輸出を直撃したことが直接的な原因の一つであるが、去年以来、政府の実施した金融引き締め政策が多くの中小企業の資金繰りを悪化させ、倒産に追い込んだことも大きい。

 今や、温州市を含めた中国の輸出向け産業の各生産基地はことごとく壊滅的な状況にある。

固定資産投資の冷え込み
鉄鋼産業の利益は約95%減

 その一方、前述の金融引き締め政策が実施された結果、中国経済の大きな牽引力となってきた公共事業投資の拡大にも暗雲が漂っている。たとえば公共事業投資の目玉の一つである鉄道建設の場合、今年の上半期における全国の鉄道建設投資の総額は、去年の同じ時期と比べて実に4割も減少した、と当事者である鉄道省が発表している。

 それに加えて、不動産バブルの崩壊がすでに始まった中で、不動産開発への投資も大幅に減少している。国家統計局のデータによると、今年の1月から5月まで、中国の全国不動産開発投資額は2兆2213億元で、前年同期比18.5%増ではあるが、2011年の同じ時期の投資額成長率34.6%と比べると大幅な低減であることは明らかである。

 不動産投資が減少してしまうことで、今まで不動産業の繁栄によって支えられてきた鉄鋼産業やセメント産業、家具・内装産業などの諸産業が一気に冷え込んでしまっている。たとえば花形産業の一つである鉄鋼産業の場合、中国鉄鋼協会が8月1日に発表したところによると、今年の上半期において、鉄鋼協会に加盟している全国の鉄鋼メーカーの利益は前年同期比ではなんと、95.8%以上も減少したという。

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