2024年5月19日(日)

海野素央の Democracy, Unity And Human Rights

2021年1月5日

民主党2議席獲得の可能性

 では、民主党のオソフ・ワーノック両氏がペアで勝つ公算は果たしてあるのでしょうか。米タフツ大学(東部マサチューセッツ州)の調査によれば、20年米大統領選挙で、若者(18~29歳)の58%がバイデン氏、39%がトランプ氏に投票しました。バイデン氏がトランプ氏に19ポイントも差をつけました。 

 タフツ大学の同調査では、ジョージア州上院選で投票をした有権者に占める若者の割合は20%で、西部カリフォルニア州の17%、西部アリゾナ州の16%並びに南部フロリダ州の14%を上回りました。それだけ同州では若者の占める割合が高く、バイデン勝利に貢献したといえます。

 1月5日の決戦投票においても、民主党は若者票に期待できます。というのは、同党は昨年11月3日の大統領選挙の投開票日から12月中旬までの間に、30歳以下の黒人の若者を50万人以上も有権者登録をしたからです。その中には前回の大統領選挙で18歳未満のために投票ができませんでしたが、今回の決戦投票では投票資格がある若者が含まれています。

 オソフ氏は若者票を獲得するために、学生ローン救済策、マリファナの合法化及び最低賃金の値上げを支持しています。ワーノック氏も学生ローンの債務問題解決と最低賃金の値上げに意欲を示しています。

 加えて、ジョージア州にある民主党支持の市民団体が黒人の有権者を標的にして戸別訪問を行い、彼らが投票所に出向くように促しています。これらのプラス要因によって、オソフ・ワーノック両氏の得票率が向上する可能性があります。  

オソフ・ワーノクへの「朗報」

 選挙戦最終盤でオソフ・ワーノック両氏に「朗報」が飛び込んできました。パーデユー氏の選挙スタッフが新型コロナウイルスに感染し、そのスタッフと接触があった同氏が自主隔離に入ることになりました。最も重要なときに選挙運動ができなくなった訳です。

 しかも、米ワシントン・ポスト紙がパーデユー氏がビジネスマンのとき、中国政府と関係を築き、米国の雇用を同国に輸出していたと報道をしました。オソフ氏はパーデユー氏への新たな「攻撃材料」を得ました。

 一方、ロフラー氏にはスキャンダルが浮上しました。同氏が白人至上主義団体KKK(クー・クラックス・クラン)の元メンバーと撮影をしていたのです。この事実はオソフ・ワーノック両氏が鍵を握る黒人票をより多く獲得し、決戦投票でペアで勝利する可能性を高めました。

  
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