世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月12日

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 8月4日付Sydney Morning Herald で、Hugh White豪州国立大学教授は、中国はやがて米国より大きい国となるので、お互いに張り合って危険な状態に陥るよりは、アジア太平洋の共同管理の方策を探るべきである、と論じています。

 すなわち、中国が超大国に成長していくのは不可避であり、中国が自らを大国として扱われることを主張するのは当然である。他方、アメリカなくしてアジア・太平洋の繁栄は無く、その逆もまた真である。しかし、アメリカが前に出れば、中国は黙ってはいられず押し返すであろう。そして、アメリカは新たな、危険な競争に直面することとなる。それを避けるためには、アメリカと中国が、対等のパートナーとして、アジアにおける覇権を分かち合えば良い。その場合、中国はアジアにおける覇権の要求を後退させねばならないが、アメリカもまた、アメリカ例外主義を続けられなくなる。それはやむを得ないことだ。アメリカはこれまで中国のような国を相手にしたことが無いからだ。

 ここ数年間アメリカの政治状況が麻痺していることは認めざるを得ない。このような状況では、国際情勢の新しい変化を直視することは出来ない。あるいは、まだ米国は強いのだから、国際情勢を直視しなくて良いという考えかもしれない。しかし、それは歴史的な過ちを犯すことになる、と論じています。

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 今後のアジア太平洋は、米中双方が折り合って、共同管理を行うほかはないと主張していますが、それがいかなる共同管理であるべきかについて何の具体策の提示もありません。特に、南シナ海の自由航行権、中国による領域主張について、米国はどこまで譲歩すべきかについて、言及していません。また、米国と同盟国の防衛体制がどの程度であるべきかに至っては、一言も触れていません。

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