世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2012年9月18日

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 2000年、2007年に続く、第三次アーミテージ‐ナイ報告がCSIS(米戦略国際問題研究所)から発表され、日本は、第一級の国家となることを志すべきであり、ともに第一級の国家である米国と日本がフル・パートナーとして協力することは、世界に対する貢献となる、と論じています。その内容の概略は、次の通りです。

 すなわち、現在政策担当者たちは、日米同盟の難局を乗り切りつつあるが、中国の軍拡の動向など日米両国はなお数多くの挑戦に直面している。

もし日本国民と政府が、二級の国で良いというのならば、この報告は無用である。しかし、日本は人口の老齢化や、6年間に6人の首相を持った政治的状況にもかかわらず、その潜在的能力は強力な国家であり、第一級の国になる能力を持っている。日本が強力な米国を必要とすると同時に米国は強力な日本を必要とする。

 東アジアにおける安全保障環境が変化している戦略的に重要な時期において、日本は、今のままで安住するか指導力を発揮するかを自ら決める能力を持っており、以下の諸点を提言する。

 ・日本は原子力発電を放棄はできない。その安全運転の確保につとめるべきだ。また、米国は保護主義に陥らず、日本向けシェール・オイル・ガスの輸出を促進すべきだ。また、日本は、TPPだけにとどまらず米国との全般的な経済的絆を強めるべきだ。

 ・共通の価値観を有する日米韓の協力は必要不可欠であり、日本は、realpolitikの角度から歴史問題と直面しなければならない。

 ・日米同盟は、今後中国のいかなる変化にも対応できるような能力と戦略を持つべきであり、日米同盟は中国の再興に対応できる能力と戦略を持つべきだ。

 ・人権問題を強調すべきだ。

 ・日本の防衛と地域の安全保障との間の境界はほとんど無いので、日本には、ホルムズ海峡や南シナ海における日本の協力の強化が求められ、日米共同演習、interoperability(相互運用性)、武器輸出の緩和を受けての技術協力、サイバー協力などの強化が必要だ。

 ・核の拡大抑止については、日米協力全般の強化が必要であり、NATOの例では、米軍が駐留していることが最大の保証となっている。

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