復活のキーワード

お上主導で祝日だらけ 効率の悪い日本の“休み方”

磯山友幸 (いそやま・ともゆき)  経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

復活のキーワード

新進気鋭の経済ジャーナリストが、日本再生のための「復活のキーワード」を提示します。

»最新記事一覧へ

実感のわかない休日の多さ

 実は、休みとなる祝祭日の数も日本が抜きん出て多い。英国は8日、ドイツ、フランス、米国は10日だが、日本の祝日は15日ある。しかも正月は休日である元日だけでなく、2、3日を加えた三が日を慣例的に休む会社が多い。一斉休業日が日本は多いのである。

 だが休みが多いと言われても、実感がわかない人がほとんどだろう。欧米並みの長期休暇など夢のまた夢、というのが実態ではないか。

(注)2010年の休日で比較
(出所)労働政策研究・研修機構『データブック国際労働比較』
拡大画像表示

 あなたの今年の夏休みは連続何日だったろう。保険会社や旅行会社のアンケートでは平日ベースで3~4日という答えが多いようだ。土日を入れて1週間取れれば良い方といったところだろう。昔に比べれば休めるようになったという声は聞くものの、欧州で一般的な、夏2週間+冬1週間のバカンスというのは日本では実現していない。

 なぜか。日本では“お上主導”の労働時間短縮だったため、週休2日の導入や祝日の増加といった「一斉休業日」を増やすことに力点が置かれてきた。国民の祝日には「海の日」や「みどりの日」が加わり、さらに増やすべきだ、という議論もある。

 この「一斉休業」重視が、長期休暇の実現を阻害しているのだ。日本人の横並び意識も指摘されるが、「休みは全員一斉が当たり前」ということになると、他の人が働いている時にひとりだけ有給休暇を取ることは精神的に難しい。日本は欧米諸国に比べて有給休暇の取得率が極端に低いと言われる。

 多くのサラリーマンが感じていることだが、祝日が増えることによって仕事の能率が落ちているのではないか。8月の夏休みシーズンが終わったと思ったら、9月に2回、10月に1回、11月に2回の連休がやってくる。この時期、欧州では休みが少なく、クリスマス休暇に向けて、猛烈にアクセルを踏んで働く時期なのだが、日本ではアクセルを踏んだかと思うとブレーキをかけなくてはならない。

 いっそのこと、国民の祝日を公休日にするのを止めてしまうのはどうだろう。一斉に休む日を減らし、その分、自由に休める有給休暇日数に加えるのである。年間35日の有給休暇をそれぞれが自由なタイミングで取るようになれば、欧米型の長期休暇も実現する。

previous page
2
nextpage
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
「復活のキーワード」

著者

磯山友幸(いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。87年日本経済新聞社に入社し、東京証券部、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長などを務める。11年からフリーに。熊本学園大学招聘教授。近著に『国際会計基準戦争 完結編』(日経BP社)。

WEDGE Infinity S
ウェッジからのご案内

Wedge、ひととき、書籍のご案内はこちらからどうぞ。

  • WEDGE
  • ひととき
  • ウェッジの書籍