田部康喜のTV読本

2012年10月17日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 東京・表参道の地下鉄の駅は、新番組のドラマの広告が通路の壁を覆わんばかりである。夏日の気温を記録する日もあって、通り過ぎる若い女性の服装は、季節に戸惑っているように、はっきりとした秋の装いではないようにみえる。

 フジテレビは「結婚しない」である。いつもの番組広告の壁に映像装置が組み込まれて、主演の菅野美穂と天海祐希が、せりふであろう、タイトルの言葉を大きな声で叫んでいる。街頭広告は通りすがりの人の視線をとらえるのに、わずかな瞬間に賭ける。ポスターから進化した番組宣伝であることに感心する。

 「Wの悲劇」の武井咲は、日本テレビの「東京全力少女」の主役である。斜め上からの角度で撮影した、武井のポスターから飛び出しそうなスチルもまた、なかなか凝っている。

 人気女優たちは、季節の改編期を迎えるごとに、テレビ局を移動しては新しい役に挑戦している。

 東宝と日活の青春映画のスターたちが、上映期間をまたぐようにして、次々と新作のクランクインを迎えていたように。

前後編のスペシャルドラマ

 朝の連続テレビ小説の「梅ちゃん先生」は、その人気故に、ちょっと変わった路線をとった。

 最終週の「上を向いて歩こう」は、24日から29日まで。梅子の父親の下村建造が、NHKの素人のど自慢に参加して、坂本九のヒット曲であるタイトルを歌い、登場人物たちが梅子の家に集まってみるシーンがエンディングへの助走であった。ラストシーンは、梅子と夫の信郎が咲き始めた梅を見上げる。小さな花ではあるが、春を告げて人々に明るさをもたらす、名前にこめられたその花を夫婦でながめるのであった。

 「梅ちゃん先生」スペシャルは、BSプレミアムの枠で、「結婚できない男と女」がテーマである。10月13日(土)午後9時からの前編をみた。後編は、20日(土)午後9時からである。

 ときは昭和37年(1962年)、東京五輪に向けて、日本はその準備のなかで、高度経済成長にかけあがっていこうとしていた。

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