うつ病蔓延時代への処方箋

2013年3月13日

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 企業のメンタルヘルス対策をサポートするEAP (Employee Assistance Program=従業員支援プログラム)は、米国では一般的に活用されている仕組みだ。精神的な不安やストレスを取り除くための多様なプログラムを備えた外部専門家が、企業の依頼を受けて社員のメンタル面をケアする。今回は、日本のEAP大手であるアドバンテッジ リスク マネジメントの鳥越慎二社長にEAPとしてできる、うつ病予防と日本でのEAPの現状と将来などについて聞いた。 

鳥越 慎二(とりごえ・しんじ)
1962年新潟県生まれ。東京大学経済学部卒、ノースウエスタン大学ケロッグ経営大学院修了。外資系戦略コンサルティング会社勤務を経て、1995年アドバンテッジ インシュランス サービスを設立。米国型の団体長期障害所得補償保険(GLTD)を日本に導入。1999年3月アドバンテッジ リスク マネジメントを設立し社長に就任。著書に『就業不能「働けないリスク」に企業はどう向き合うか』(ダイヤモンド社)、『メンタリティ マネジメント』(東洋経済新報社)など。

外部からの刺激を上手に対処する取り組み

―― 職場うつへの対応を始めたという企業の人事担当者を取材すると「どんどん深みに入り込むような感じで、出口の見えないトンネルみたいだ」と話してくれます。それは、取り組みの成果が出ないことに不安を感じているから。うつ対策の成果は、数年単位でみなければ、わからない。だからこそ、うつ病を新たに発症させない日々のケアが大切になると思います。ただ、大半の企業は簡単なストレスチェックが中心で、十分な予防策とは思えません。

鳥越:うつ病と外部から受けるストレスとの因果関係は明白だと思います。ストレスを溜めこんでいないかを定期的にチェックし、そこで問題がある場合はカウンセリングや医師の診断を受けて早期に対処する。これで重症化を防ぐことができるでしょう。それよりも、ストレスチェックで問題が出ないようにすることが肝心で、そのためにはストレス耐性を強めていく取り組みが最も効果があると考えています。

 これを「メンタルタフネス」として推進中です。認知や対処行動の歪みを認識し、それを行動面から変えていこうという取り組みで、刺激を上手に対処できるようにすること。そこからストレスに負けない自分ができてくる、自身を強くしていくことができます。

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