世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2013年4月1日

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 ヘリテージ財団のディーン・チェン研究員が、同財団のサイトに「中国のサイバー攻撃:しっかりした対応必要」との論説を2月23日付で掲載し、中国がサイバー攻撃を軍関係のみならず文民関係にも幅広く仕掛けてきていること、情報戦には戦時も平時もないとしていることを指摘し、官民挙げてのより包括的な対応、国際的にも協力の幅を広げた対応の必要性を指摘しています。

 すなわち、マンディアント社は、対米サイバー攻撃の多くは中国発、かつ人民解放軍総参謀部(GSD)の第3部局の第2局の61398部隊発であると発表した。サイバー攻撃を中国政府が指示しているとの、長い間の疑惑が確認されたことになる。

 中国軍組織は他国の軍とは異なっている。人民解放軍海軍などの軍種にもわかれているが、4つのGeneral Departments(参謀本部格の部局)がある。すなわち、総参謀部(General Staff Department、GSD)、総政治部(General Political Department)、総後勤部(General Logistics Department)、総装備部(General Armaments Department)である。

 人民解放軍は、サイバー攻撃をGSD(軍事計画、情報、作戦を担当)のいくつかの組織に集中させている。米のように軍種に分散させていない。

 また、米では文民組織が担当していることを中国では軍が担当している。GSDの第3部局は米の国家安全保障局に相当するが、GSD第3部局の対象は、軍関係や国家安全保障関係に限られておらず、民間会社へのスパイにも携わっている。コカコーラを対象としたことがあるなど、米とは全く異なる。

 中国はマンディアント社の告発を否定しているが、証拠は圧倒的であるように思える。

 また、中国軍内では、「信息戦(information war)」、「信息化戦争(informationized warfare)」、「制信息権(information dominance)」などといった、情報戦についての確固とした思想があり、今回明らかになった中国軍のやり方はこれに沿っている。中国の考え方では、情報は軍事、民間に簡単に分けられず、情報収集に戦時・平時の区別はない、包括的に考えるべしというものである。そうした考え方に基づき、情報作戦が統合されているのである。

 これに対して、米国は何をなすべきか。

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